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念を使わせてみよう小説スレッド

651:2004/11/21(日) 01:58



「……?」
 しかし、僕の首は両断されなかった。
 見ると、しぇりーちゃんの特大チャクラムは僕の首に届く寸前で止まっている。
「あ…あ…あ……」
 確実に僕を殺せた筈のしぇりーちゃんが、顔面を蒼白にして小刻みに震えていた。
 その視線は僕、いや、僕の後ろに向けられている。
 何だ?
 この子は、一体何を見たっていうんだ?
「…?」
 不思議に思い、僕は後ろを振り替えってみると―――

「き―――」
 僕は言葉を詰まらせた。
 白髪の長髪。着物。一人称俺。
 それが形容詞につく人が、狐さんが、僕の後ろに立っていた。
「…何があったのかは知らないけどさ。
 そいつを殺すのはやめてやってくれないか?
 友達なんだよ―――そいつ」
 優しい顔で、狐さんがしぇりーちゃんにそうお願いした。
 しぇりーちゃんは言われるまま、ゆっくりと得物を下に下ろす。
「き、狐さん、何で…」
 僕は目をパチクリさせながら、狐さんに何か言おうとした。
「ああ、近くを歩いてたら何か穏やかでない声が聞こえてね。
 それにしても危機一髪だったな、少年」
 狐さんがはにかみの笑顔を浮かべる。

「つーわけでさ。
 ここは俺に免じて勝負は預かりって事にしといてくれ。
 俺の友達どうしが殺し合うなんて、真っ平御免なんでね」
 友達どうし?
 もしかして、しぇりーちゃんと狐さんって知り合いだったのか?
 まあ狐さんも裏家業に身を置く人みたいだから、
 殺し屋に知り合いがいてもおかしくないが。
「わかりましたです」
 驚くほど素直に、しぇりーちゃんが承諾した。
 確かに狐さんに逆らえば殺されるのは目に見えているが、
 プロの殺し屋がこんなんでいいのだろうか。


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