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念を使わせてみよう小説スレッド

631:2004/11/21(日) 01:57

「!?」
 僕の両手に握られた彼女とそっくりの特大チャクラムを目にして、しぇりーちゃんが目を見開く。
「あ、あなた、強化系じゃなかったんですか!?」
 驚くのも無理は無い。
 あの時僕は強化系である狐さんの真似をして戦った。
 だから強化系と相性が良くない筈の具現化系の能力を使うなんて、
 彼女には思いもよらない出来事だったのだろう。
「ああ、驚かせてしまったみたいだね、ごめん。
 だけどあまり警戒する事も無いよ。
 こんな物、単なる紛い物に過ぎないんだから」
 僕はチャクラムを持ったまま、鏡合わせの如くシェリーちゃんと同じ構えを取る。
 彼女の全てを真似するように。
 彼女の全てを模倣するように。
「まさか、特質系―――」
「どうやら君達念能力者の定義ではそうらしいね。
 でも、正直な所僕は特質系であるかどうかも疑わしいんだ。
 僕は何にもなれない。
 僕は何も創れない。
 ただ、水鏡のように別の何かを映すだけ。
 そんなの、個別に区分された能力なんて言わないだろ?」
「要するに、単なる猿真似ですか」
「うん、まさしくその通りだよ。
 僕に出来るのは誰かの真似事だけ。
 誰でも無い故に誰にでもなれる。
 誰でもあるが故に誰でもない。
 そうだ、やっと僕の念能力の名前を思いついた。
 『無貌の仮面(ドッペルゲンガー)』とでも名付けようか」
 二重体(ドッペルゲンガー)。
 特定の個人でなく、誰かの影の中にのみ潜む者。
 他者なくして決して己を形作れぬ者。
 そもそも己など存在しない者。
 まさに、僕にぴったりだ。

「そ、そうと分かればもう問題ありません!
 所詮は偽物、本物に勝つ事なんて出来ない筈です!」
 チャクラムを僕に向け、しぇりーちゃんが叫んだ。
「そうだね。
 事実僕の作ったこのチャクラムの性能は、本物である君のやつの半分にも及ばない。
 戦えば、確実に僕は負けるだろう」
 事も無げに、僕は言った。
「だったら!
 だったらどうしてそんなに落ち着いていられるのですか!?
 あなたは死ぬのが恐くないんですか!?」
 信じられないといった顔つきで、しぇりーちゃんが僕を見据える。


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