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念を使わせてみよう小説スレッド
57
:
1
:2004/11/19(金) 09:55
〜九話〜
「殺すよ、お前ら―――」
外法狐が体中にオーラを纏った。
『殺す』。
たったこれだけの言葉が、これ程の重みをもっていたのかと、ネーノとヂャンは戦慄していた。
彼らも、『殺す』だとか『死ね』だとかいう言葉くらいは使った事がある。
しかしそれは大抵の場合、売り言葉に買い言葉の末だったり、
単なる脅し文句だったりであり、
本気で相手の事を絶対に殺すつもりで使った事など数える程しかない。
しかし、外法狐は違う。
ネーノとヂャンは確信していた。
この女はそんな生半可な覚悟で『殺す』という言葉を使っていない。
いや、覚悟という次元すら超越しているように思える。
外法狐にとって、『殺す』と言った時には既に、
その言葉を投げかけた相手の死は決定事項なのだ。
外法狐の中では、『殺す』と言った相手は既に死んでいるのだ。
だから『殺す』という言葉は最早『死』と同意語であり、
外法狐は相手の死を確認する為に『殺す』という言葉を使うのである。
故に外法狐は相手を殺すのに一切の躊躇は無い。
己の中に想像した相手の死を、ただ忠実に実行して実現するだけ。
そこに、何の意思など介在しようも無い。
道具が何かを殺める際に、何も考えたりしないように。
今外法狐は、比喩でなくただ一振りの刃と化しているのである。
「―――ッ!」
直後、外法狐の姿が二人の前から消え去った。
否、消えたのではない。
二人の反応限界を超える速度で移動したのである。
「『果てしなき暴走(キャノンボール)』!!」
本能的に危険を察知したヂャンが、己の念を発動した。
ローラーブレードに注がれるヂャンの念。
するとローラーブレードの車輪が一瞬にして加速して、
ヂャンの体を瞬時に後方へと移動させる。
パアァン!
風船の破裂したような音が、辺りに響いた。
「…?」
ヂャンがその音の正体を探ろうと周囲を見回す。
しかし、その原因らしいものは一向に見当たらない。
空耳か?
いや、確かにさっき音はした筈だ。
「……あ?」
ヂャンは、自分の右腕の部分が軽くなっているような感覚を覚えた。
違う、軽くなっているのではない。
重さが全く無くなっているのだ。
ヂャンが不思議に思って自分の右腕を見―――
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