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念を使わせてみよう小説スレッド

461:2004/11/16(火) 01:32

「もう一度言いますよ?
 あなたの初恋の人についてです。
 情報が無ければ、その人の真似をする事なんて出来ませんからね。
 どんな些細な事でもいいんです。 教えて下さいよ」
「な、何を言って―――」
「その人の口癖は? その人の好きな食べ物は? その人の好きな本は?
 その人の好きなゲームは? その人の好きなテレビは? その人の好きなスポーツは?
 その人の趣味は? その人の日課は? その人の宝物は?
 その人は勉強が得意ですか? それとも運動が得意ですか?
 分かる範囲でいいんです、教えて下さいよ。
 そうすれば、僕はその人の真似をしてあげますよ。
 あなたの望む初恋の人の真似をして、あなたと愛を育んであげましょう」
「ち、違います! 私は、私はただ…」
「違う? 変な事を言う人ですね。
 あなたさっき言ってたじゃないですか。
 『初恋の人に似ているから僕を好きになった』、と。
 それならば、出来るだけ僕はその人に似ている方があなたにとって幸福でしょう」
「ひ、酷―――」
「酷い? 何を言ってるんですか。
 あなたが僕に望んでいる事は、つまりは“こういう事”なのですよ?
 それに率先して協力すると言っているのですから、寧ろ優しいと言って欲しいですね。
 ああ、これは失礼。
 もしかして一人称が違っていましたか。
 一人称は『僕』ではなくて『俺』ですか?
 俺にお願いがあるなら何だって言ってくれよ。
 どうです? こんな感じでよろしいですか?」
「―――!!」
 モナカさんは僕の頬に平手を打つと、泣きながら美術室を飛び出していった。
 遠のく足音。
 恐らくこれで、モナカさんと僕との縁はきれいさっぱり切れてしまったのだろう。

「おい…」
 振り向くと、いつの間にか狐さんが後ろに立っていた。
 見るからに不機嫌そうな顔で―――
 いや、怒りを隠そうともしない顔で、黙って僕を睨みつけていた。
「ああ、狐さん。
 お待たせしてすみませんでしたね。
 それでは念についての講義をお願い出来ますか?」
 僕はそう狐さんに言おうと―――

「歯ぁ喰いしばれ…!」


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