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念を使わせてみよう小説スレッド

441:2004/11/16(火) 01:31

「あの、タカラギコ君、居る?」
 と、いきなり美術室の入り口のドアが開いた。
 僕はギョッとしてそちらに目を向ける。
 やばい、こんな所を誰かに見られたら、またあらぬ噂が立ってしまう!
「…あれ?」
 しかし僕の隣に居た筈の狐さんは、いつの間にか姿を消していた。
 まさか、あの一瞬の間にどこかに隠れたのか。
 忍者の末裔か何かか、あの人は。
「? どうしたの、タカラギコ君」
 入って来たのは、モナカさんだった。
 消えた狐さんを探していた僕を見て、不思議そうな声を上げる。
「いえ、何でもないです。
 それで、何の用ですか?」
 この前といい、この子はこんな所に来て何が楽しいのだろうか。
 最近の女学生の嗜好については全く理解しかねる。
「あ、あのね…
 大切な話があるんだけど… いい?」
 おずおずと口を開くモナカさん。
 大切な話?
 そんなものを、何だって無関係なこの僕に。
 それとも、あまり親しくないからこそ打ち明けられるような悩みなのだろうか。
「いいですよ。 聞きましょう」
 僕はモナカさんに向き直って言った。
「あの、その、えっとね。
 その、私ね。 私…」
 もじもじするモナカさん。
 何をそんなにもったいぶっているのだろう。
 大切な事ならすぐに話せばいいのに。
「私、タカラギコ君の事が―――」



「…え?」
 モナカさんの発した言葉を、一瞬理解する事が出来なかった。
 今、何て言った?
 今モナカさんは何と言った?
「…あの、迷惑かな、やっぱり……」
 顔を真っ赤にしてモナカさんがうつむく。
 迷惑ではないが、さしたる感慨も無い。
 どうしよう。
 その気が無いのに惰性で付き合うのも失礼だし、きっぱり断るのが正解だろうか。
 それとも、人生経験の一つとして付き合ってみるべきなのだろうか。
 困った。
 一応、僕には狐さんという心に決めた人がいるし。
 まさかモナカさんの目の前で、コイントスをして決める訳にもいかないしな。
 …そうだ。
 折角だから、一つ質問しておく事にしよう。


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