したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

念を使わせてみよう小説スレッド

411:2004/11/15(月) 15:52

「いいか、ただでさえやばい『禍つ名』だが、『外法』にだけは何があっても関わるな。
 あいつらは人であって人でない、人を人とも扱わない、正真正銘の殺人鬼だ」
 嘘だ。
 嘘だ。
 嘘だ嘘だ嘘だ。
 だって、あの人は、『金の為には殺さない』、って―――
「あいつらにとっては、殺人なんて禁忌ではない。
 『禍つ名』を核とする裏社会での掟(ルール)すら守りはしない。
 故に法(ルール)の外、『禍つ名』の一番下の方に位置する、『外法(下方)』なのさ」
 ああ―――そうか。
 あの人は、殺してないなんて一言も言っていない。
 金の為に殺していないと言っただけだ。
 言い換えれば、金の為なんていう理由が無くても、
 簡単に殺す事が出来るという事だったんだ―――
「? おい、どうした? 顔色が悪いぞ?」
 フーンさんが心配そうに言ったが、僕には最早何も聞こえていなかった。
 殺人鬼なんだ。
 あの人こそ、狐さんこそ本物の殺人鬼だったんだ。
「いえ… 何でもありません。
 今日、学校で小テストがあるんで、そろそろ行っていいですか?」
 平気な真似をする。
 大丈夫、何て事無い。
 僕は偽物。
 感情すら、誰かの真似で塗り固める事が出来る。
 大丈夫。
 僕は、何も感じてやしない。
「そうか。 長居させて悪かったな。
 これは俺の携帯の電話番号だ。 何かあったらここに連絡を頼む」
 フーンさんが僕に紙切れを差し出す。
 放心状態のまま僕は黙ってそれをポケットに入れた。
「…お邪魔しました」
 フーンさんの家を出る。
 どうやら、幸いにも学校の近くのアパートだったみたいだ。
 これなら、10分もあるけば学校に到着するだろう。
「さーて、と。
 小テストは5時間目だったよな」
 偽物の想いだから、決して実らない。
 偽物の想いだから、裏切られたって傷つかない。
 僕は教科書の小テストに出る範囲を覗きながら、急ぎ足で学校に向かっていた。


                〜続く〜


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板