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念を使わせてみよう小説スレッド

361:2004/11/15(月) 15:49
 〜五話〜

「タカラギコ。 いい子ね、タカラギコ。
 こっちへいらっしゃい?」
 …違う。
 違う。
 違う違う違う。
「タカラギコ… おいで、タカラギコ」
 違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う!
 僕はタカラギコじゃない!
 僕は違う!
「タカラギコ」
「タカラギコ」
「タカラギコ」
「タカラギコ」
 お父さんやめて!
 お母さんやめて!
 おじいさんやめて!
 おばあさんやめて!
 僕は違う!
 僕はタカラギコじゃない!
 僕は兄さんじゃないんだ!
「何を言ってるんだ。 お前はタカラギコじゃないか」
「おかしな子ねえ」
 違う!
 兄さんはもう死んだんだ!
 兄さんはもうここには居ないんだ!
 僕は、兄さんじゃない!
「タカラギコ」
「タカラギコ」
 違う!
 僕は違う!
 僕は僕だ!
 僕は兄さんの代わりじゃない!
「タカラギコ」
「タカラギコ」
「タカラギコタカラギコタカラギコタカラギコタカラギコタカラギコタカラギコ」
 やめてくれ!
 僕をその名前で呼ばないでくれ!
 僕は違う、違うんだ!
 僕の名前は違う!
「タカラギコタカラギコタカラギコタカラギコタカラギコタカラギコタカラギコ
 タカラギコタカラギコタカラギコタカラギコタカラギコタカラギコタカラギコ
 タカラギコタカラギコタカラギコタカラギコタカラギコタカラギコタカラギコ」
 誰も、僕の名前を呼んでくれない。
 誰も、僕を僕として見てくれない。
 僕としての僕は、誰にも必要とされてない。
 僕は、兄さんの代用品でしかない。
 僕は、兄さんの偽物として生きるしかない。
 僕の名前、あった筈なのに忘れちゃった。
 助けて。
 誰か、助けて。
 助けて、狐さん…!





「うわああああああああああああああああああああああああ!!」
 絶叫と共に、僕はベッドから跳ね起きた。
 あの夢だ。
 どうして、今頃になって。
 もう、見る事なんて無くなってた筈なのに。
 …え?
 『ベッドから跳ね起きた』、だって…?


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