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念を使わせてみよう小説スレッド

341:2004/11/15(月) 02:35

 轟音。

 地面が陥没し、砂煙が上がり、狐さん程ではないが極小規模のクレーターが地面に穿たれる。
 しかし、しぇりーちゃんの姿はそこには無かった。

「…今のは、危なかったです」
 砂煙の中に、しぇりーちゃんの姿がうっすらと見えた。
 避けられた。
 今の、渾身の一撃を。
 どうやら、偽物は結局どこまでいっても偽物であり、
 本物に及ぶ事は決して無いという事か。
「分かりません。
 全く分りません。
 素人の筈なのに、確かについさっきまでただの素人だった筈なのに、
 お兄さんのその豹変振りは何なのです?」
 首を傾げるしぇりーちゃん。
 そんなの、こっちが聞いてみたい。
「ですが、その答えを知る事に最早意味はありません。
 お兄さんはもう、王手詰み(チェックメイト)なのですから」
 しぇりーちゃんがふと上を見上げた。
 吊られて、僕もつい上へと顔を上げてしまう。
「!!!」
 気づいた時には、遅かった。
 上から落ちてくる特大チャクラム。
 それが輪投げを的棒(ポール)に引っ掛ける要領で僕の体をすっぽりと包み、
 瞬間、その輪が急速に収束した。
「あ、ぐ―――」
 形容し難い程の力で、僕の体が収束したチャクラムに締め付けられる。
 もし『劣化複製・不死身の肉体』が無ければ、
 そこで僕の体は半分に引き千切られていたであろう。
「凄いです。
 私の『穴開きの満月(フライングドーナッツ)』の隠し技、
 『満月の呪縛(バッドムーン)』まで使わせるなんて」
 感服したように、しぇりーちゃんが呟く。
「しかし、ここまでです。
 そのチャクラムはちょっとやそっとの力では破壊出来ません。
 それを力ずくで破ったのなんて、『九尾』の異名を冠するあの人くらいです。
 抵抗しても、苦しむ時間が増えるだけですよ?」
 勝利を確信した声色で、しぇりーちゃんが告げた。
 成る程。
 その通りだよ、しぇりーちゃん。
 僕では、このチャクラムは到底破壊出来そうにない。
 だけど、君は一つ勘違いをしている。
 僕はもう君を倒す事は出来ないが、それは僕の敗北じゃない。
 勝利とは勝利条件を達成する事であり、その勝利条件は必ずしも相手を倒す事じゃない。
 君の勝利条件は僕を殺す事なのだろうが、僕は違う。
 そう、僕の勝利条件は―――


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