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念を使わせてみよう小説スレッド
32
:
1
:2004/11/15(月) 02:28
「!!!」
しぇりーちゃんの特大チャクラムが、僕の首を捉えた。
その小柄な体からは信じられない程の膂力。
衝撃に耐え切れず、僕は吹っ飛ばされる。
「なッ…!?」
しぇりーちゃんは、狼狽を隠そうともせずうろたえた。
そう、しぇりーちゃんのコンクリートすら切り裂く特大チャクラムは、
確実に僕の喉元に命中した筈だ。
だが、“僕の首は繋がったまま”だった。
「……」
僕は首を押さえながら立ち上がる。
斬れこそしなかったものの、衝撃を防ぐ事は出来なかった為、ダメージはある。
恐らく、狐さん本物の『不死身の肉体(ナインライヴス)』ならば、
今の攻撃など屁でも無かったのだろう。
まあ、劣化コピーにしては上等といった所か。
「あ、ありえません、こんな―――」
今起こった現象が信じられないのか、しぇりーちゃんが今度こそ僕の体を切り刻もうとする。
一閃。
二閃。
三閃。
しかし、僕の体はそれでもバラバラにはならなかった。
ただ、くどいようだがインパクト時の衝撃はしっかりある為、
僕は斬撃の勢いそのままに宙を飛んで壁に叩きつけられる。
「…こいつはいいや」
僕は驚嘆した。
頑丈なだけでなく、体中に力が満ち溢れてくる。
今の僕なら、岩だって叩き割れるだろう。
劣化コピーで、これ。
だとすれば、狐さんは一体どれ程の力をその身に宿しているというのか。
「い、痛くないんですか!?」
自分で僕を傷つけておきながら、しぇりーちゃんが目を見開きながら訊ねた。
「…痛い?」
痛い。
それって、今僕が感じている感覚でいいのだろうか?
「はは、どうなんだろう。
痛いって、これで合ってるのかな?」
僕は偽物しか作れない。
だから、感覚も偽物。
それを感じる心も偽物。
だから痛いという感覚だって、きっと誰かの偽物。
偽物の体だから本物の痛みを感じれない。
偽物の心だから本物の痛みが分らない。
教えてくれよ。
痛がる真似って、こんな感じで正解なのか?
「し、質問を質問で返さないで下さい!
理解出来ません!
あなたは、本当に理解出来ません!
何なんですかその念は!?
何なんですかその体は!?
何なんですかその心は!?
分りません!
分りません!
不安です不定です不純です不明です不快です!」
不安定で不完全で不愉快。
それはその通りだよしぇりーちゃん。
だって、僕は偽物なんだから。
何一つ本当のものなど持ってやしないんだから。
そこに安定や秩序が在るなんて考える方がどうかしてる。
「いいです!
もうどうでもいいです!
斬って抉って叩き潰して、それであなたとはお別れです!」
再び突進してくるしぇりーちゃん。
あの特大チャクラムを喰らった所で、一撃で倒されるような事は無いだろうが、
それでも黙ったまま攻撃を受けてやる程僕もお人好しじゃない。
視力並びに動体視力が強化されている為、
しぇりーちゃんの体術も何とか見極める事が出来る。
紙一重で、斬撃を回避。
そのままカウンターの形でパンチを放つ。
よし、当たっ…
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