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念を使わせてみよう小説スレッド
3
:
1
:2004/11/09(火) 04:38
ガシュ、ガシュ、ズリュル
思わず耳を塞ぎたくなるような咀嚼音が、裏路地の暗がりに響く。
時刻はかっきり午前3時。
魔街東京の片隅での出来事。
グチャ、クチャ、ゴキュリ
セントバーナードを更に上回ろうかという程の巨躯を持つ二頭の黒犬が、
帰宅途中だったであろうサラリーマン風の男を貪るように喰らい続ける。
かつてサラリーマンだったその男は殆ど原型を留めておらず、
最早人間というより肉塊と表現したほうが正しかった。
ガツ、ゴキャ、メキリ
犬がサラリーマンの右腕を骨ごと喰い千切る。
その横に佇む一人の男。
一仕事を終えたかのように満足そうな顔で、犬がサラリーマンを喰らうのを見やっていた。
いくら魔街東京といえど、およそありふれたとは言えない光景。
だがその惨劇を知る者は、男と二匹の犬しか居ない。
…そのはずだった。
「アヒャ、ナンカウルセートオモッタラ、コリャヒデーアリサマダナ!」
いきなり背後からかけられた声に、男と犬が咄嗟に振り向く。
そこには、狂ったような笑みを顔に貼り付けた一人の青年が立っていた。
「…獰猛な番犬(レザボア・ドッグス)」
男が小声で犬に合図を送る。
犬達は体を翻し、青年の喉笛目掛けて跳び掛かる。
魔街の夜に二人目の犠牲者が、
犬を操る男がそう確信した瞬間―――
「剣の舞(ダンスマカブル)!!」
一瞬にして青年の両手に片刃の剣が具現する。
鍔の部分に大きな目のついた左右の刀が闇に煌き、
すれ違い様に犬達の体にその閃光が這い回る。
直後、犬達は文字通り微塵切りになって地面に散らばり虚空に散った。
「な…!」
あっさりと犬を仕留められた男が狼狽する。
男には目の前の光景が信じられなかった。
彼の思念から生み出した黒い犬。
これに勝てる者など存在しないはずだった。
事実、今までそうだった。
今日だって、ちょっとしたストレス発散に偶々目に付いた人間を虐殺、そのまま家に帰って就寝する。
そんな日常が当たり前のようにやってくると思っていたのに。
それなのに。
なのに、眼前にそびえるこいつは一体何なんだ…!
「アヒャ、ツギハオマエノバンダナ」
それが、男の聞いた最後の言葉だった。
「やれやれ、やっぱりこうなったか…」
輪切りになった死体を見下ろしながら、フーン顔の男が溜息をついた。
「アヒャ、依頼はなるだけ生け捕りにして連れて帰れという事だった筈だぞ?
それをお前、こんな組み立て前のプラモデルみたいな有様にしてしまってどうする」
フーン顔の男が、両手に刃物を持った青年に諭すように言う。
心なしか、その声には諦めが混じってしるようにも聞こえた。
「ウルセーゾ、フーン。
フカコーリョクダ、フカコーリョク」
アヒャと呼ばれた青年の返答に、フーンはやれやれと肩を竦める。
「アヒャ、頼むからもう少し加減というものを覚えてくれ。
お前が念能力犯罪者を憎む気持ちも判るが…」
「ソノハナシハヤメロ…!」
アヒャの刺すような眼光に、フーンがはっと口を塞いだ。
「悪かった、すまない」
フーンが軽く頭を下げる。
そこで二人の間の会話は途絶え、気まずい沈黙が周囲に流れた。
「…ソウイヤ、ツギノシゴトハドウナッテル」
と、アヒャが口を開いた。
静寂の重圧に耐えられなくなったのだろう。
「特に決まっていない。
が、目処はつけてある」
フーンがアヒャの前に新聞の一面を差し出した。
アヒャが新聞に目を通すと、まずは大きな見出しの文字が目に飛び込んでくる。
『N市連続猟奇殺人事件、犠牲者はや16人に!』
「…アヒャ」
アヒャが目を細める。
まるで、新しい玩具を見つけた子供の様に。
「どうやら、これで決まりのようだな」
フーンが煙草を咥え、ライターで火を点けた。
〜序章・完〜
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