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念を使わせてみよう小説スレッド

2551:2005/01/19(水) 00:36

「―――!」
 突然、狐さんの体が硬直した。
「狐さん!?」
 驚いて声をかける。
「!!!」
 その直後、狐さんの右腕が僕の胸部目掛けて突き出される。
 ―――!?
 何で!?
 まずい、避けられ―――
「……!!」
 しかし、当たる寸前で狐さんの右腕はその動きを止めた。
 狐さんが左手の方で右腕の動きを止めたからだ。
 いや、そんな事よりも。
 今、何が起こったというのだ?
「…!
 逃げろ、少年!!」
 必死な顔で狐さんが叫ぶ。
 左腕で、右腕を無理矢理押さえ込みながら。
 まさか、体を勝手に動かされているのか!?
 だとすれば、誰が、どうやって―――
「―――!!」
 背後から視線を感じ、僕は咄嗟に振り返った。
 そこには一人のフーン顔の男が一人、こちらの様子を窺っている。
 間違い無い。
 あいつは、さっき崖から僕達を見下ろしていた奴だ。
「…流石は外法狐。
 俺の『殺人奇術(マントラップ)』にそこまで逆らうか」
 平坦な声で、フーン顔の八頭身は言った。
 あいつが、狐さんの異変の原因なのか!?
「てめえは…!」
 今にも暴走しそうな体を押さえ込みながら、狐さんが男を睨みつける。
「俺の名は妖滅狭州我(あやめ さすが)。
 仲間からは弟者と呼ばれているがね。
 ま、これから死ぬお前らには意味の無い事ではあるがね」
 冷ややかな目でこちらを見据えたまま、そいつは弟者と名乗った。
 弟という事は、兄も居るという事か!?
 そういえば、崖の上の4人の中にはこいつにそっくりな奴が居た。
 恐らく、そいつが兄なのだろう。
「てめえ、くそ、こんな手品で…!」
 狐さんが苦しそうに呻く。
 狐さんをここまで追い込むなんて、こいつ、一体どういう能力なんだ!?
「ああ、無理はしない方がいい。
 余計な苦しみを味わうだけだぞ?
 いかに貴様といえど、この『殺人奇術』には対抗出来ん」
 余裕の表情を浮かべたまま弟者が告げる。
 と、その手元が一瞬キラリと光った。
 何だ?
 あれは、糸!?
 まさかさっきの罠はこいつが…
 いや、違う。
 あれより、もっと細い糸だ。


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