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念を使わせてみよう小説スレッド

2521:2005/01/18(火) 01:18

「!!!」
 突然、狐さんが後ろに飛んだ。
 見ると、狐さんの着物の肩口の部分に鋭い切れ込みが走っている。
 いや、それだけじゃない。
 そこからは、うっすらと血が滲んでいた。
 馬鹿な。
 銃弾すら弾く狐さんの皮膚が、切り裂かれた?
「狐さん!」
 僕は慌てて駆け寄ろうとする。
「来るな!!」
 それを大声で制する狐さん。
「迂闊にそこらを動き回るな。
 でないと、そこの死体みたいにばっさりとやられるぜ…!」
 真剣な顔で狐さんが告げる。
「どうした。
 何があったんだ、狐」
 八頭身さんが狐さんに訊ねる。
「…これさ」
 狐さんが何も無い空間を指差す。
 …?
 何も見えないじゃないか。
 …!
 いや、あれは…
「糸…?」
 僕は思わず口を開いた。
 目を凝らすと、月明かりに反射する極細の線が見える。
 まさか、こんなもので狐さんの肌を裂いたというのか!?
「…糸にかなり強力な念が流されている。
 成る程、そこの死体の有様はこれが原因か」
 狐さんが感心したように呟いた。
 傷口は、既に修復を終えようとしている。
 何度も見るが物凄い自己再生力だ。
「こいつは困ったね。
 こんな罠があったんじゃ、無闇に走り回れねえや」
 狐さんが舌打ちする。
 確かに恐るべきトラップだ。
 目視し難い上に、殺傷力も抜群。
 僕達は徐々に追い込まれているという事か。
「よっと」
 そんな凶悪な糸を手刀で断ち切る狐さん。
 愚地独歩か、お前は。
「しゃあねえ。
 不本意だが、注意して進みつつこうして罠を無力化させながら進むしかねえな。
 お前ら、絶対に俺が通った道以外を歩くなよ?」
 言われなくとも、命が惜しいのであなたの後ろは離れませんよ。
「しかし、ふん。
 まさかこんな糸で俺に傷をつけるなんて芸当が出来るなんてね。
 『妖滅』… 流石に一筋縄じゃいかねえや」
 ゆっくりと進みながら、手探りで糸を探る狐さん。
 時間はかかるが、まあこれが現在において一番安全な進み方だろう。
 それにしても、こんな強力な念を使うなんて一体どんな化物…


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