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念を使わせてみよう小説スレッド
250
:
1
:2005/01/18(火) 01:16
〜四十四話〜
ウララー、レモナ、兄者、弟者達『兇人絶技団(サーカス)』の面々が夜の樹海を疾走する。
後ろからはもう弾丸の如き石飛礫は飛んでこない。
どうやら、射程外までは逃げ切れたようだ。
「…くッ。 まさかこれ程とはね、外法狐…!」
レモナが忌々しそうに舌打ちする。
「…正面からまともに戦っては勝ち目は薄いかもしれんな」
兄者が呟く。
「なあに、恐れる事は無いさ。
相手が奴一人なら、俺の『一騎当千(コープスダンス)』で1どうとでもなるからね。
それに、弟者の『殺人奇術(マントラップ)』にだって勝機は充分にあるだろ」
「そうかもしれんが、用心に越した事は無い。
『殺戮機械』の直弟子、伊達ではないぞ」
事も無げに言うウララーを、兄者がたしなめる。
その顔には、一切の油断も見つけられない。
「心配性だねえ、兄者は。
数では、“こっちが圧倒的に上回っている”んだぜ?」
ウララーはつまらなそうに口を開いた。
「…そういえば兄者。
『殺人技術(ジェノサイダー)』の結界には何か引っかかったか?」
弟者が思い出したように兄者に訊ねる。
「いや。 雑魚が引っかかった感触はあるが、本命はまだのようだ」
「そうか。
まあ、そのうち網にはかかるだろう。
期待してるよ、兄者」
弟者が軽く兄者の肩を叩く。
「はん、美しい兄弟愛だね。
うらやましい事で」
「やめなさい、ウララー」
茶化すウララーにレモナが小言を入れた。
「これも一種の親しみの現れってやつさ。
…さて、そこのお前。
いつまで隠れているつもりだい?」
ウララーが横に目を向ける。
返事は、返って来ない。
「おいおい。
隠れたり逃げたりしても無駄だってのは、分かってるんだろう?」
ウララーがおどけた風に言うと、ようやく茂みの中から一つの人影が現れた。
出てきたのは全身を包帯で巻いた男。
包帯の巻かれていない右腕前腕部には『12』との青い刺青が入れられている。
「『D』の生き残りだね?
今まで独りぼっちで逃げ隠れを続けて寂しかったろう。
もうすぐ、仲間の所に送ってやるよ」
ウララーがにやけた顔をD−12に向ける。
「キサマラナンゾニ、カンタンニヤラレルトデモ…!」
血走った目でウララー達を睨みつけるD−12。
次の瞬間、その体から無数の針が包帯を突き破って姿を見せる。
「やれやれ。
まだ僕達に勝てるつもりでいるなんて、頭悪いねえ…」
ウララーがうんざりとしたように肩を竦める。
まるで、D−12の事など歯牙にもかけていないように。
「ウララー、『殺人技術』の結界に反応があった。
感触からして、外法狐だ」
兄者が低い声でウララーに告げる。
「そうか、分かった。
君達は先にそっちに行ってろ。
こいつは、僕が受け持っておく」
「了解した」
ウララーの言を受けて、即座に兄者達がその場を後にする。
二人っきりで取り残されるは、D−12とウララー。
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