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念を使わせてみよう小説スレッド

2441:2005/01/16(日) 03:14

「何をやっている!」
 後ろから、叱責の声が俺にかけられた。
 声をかけてきたのは、いかにも偏屈っぽい壮年の男だ。
「お前のような薄汚いハンター風情が、軽々しく私の子供に近寄るな!
 その下品な匂いが移ったらどうする!?」
 ああ、この赤ん坊はこの男の子供か。
 しかし若い奥さんだな。
 大方、金に物を言わせての結婚か何かなのだろうけど。
 それにしても、お子さんの顔があなたに似なくて良かったですね。
「わざわざ高い金を払って雇っているんだ!
 喋っている暇があるなら見張りにつかんか!」
「申し訳ありません」
 これについては全面的に俺が悪いので素直に謝る。
 しかし、もし刺客か何かが襲ってきたらお前だけわざと見殺しにしてやろうか。
 流石にそれはプロのプライドが許さないから、しないけど。

「!!!」
 次の瞬間、窓ガラスをぶち破って何者かが侵入して来る。
 敵襲!?
 外にも警備は居た筈だが、どうやら突破されてしまったらしい。
「きゃあああああああああああ!」
「うわあああああああああああ!」
 悲鳴。
 混乱。
 すぐさま回りに視線を巡らせ、襲撃者の数と位置を探る。
 1、2、3、4、5、6…
 今この室内にいるのはざっと12人か。
 凝を使って襲撃者を見ると、体を覆うオーラが見える。
 という事は、全員が念能力者。
 ふん、どこの誰かは知らないが、大金はたいてご苦労な事だ。
「させるかよ!!」
 要人の一人に襲いかかろうとしていた襲撃者を、右腕のラリアットで止める。
 首が完全に真後ろに折れ曲がって、そいつはそれきり動かない。
 同情はしない。
 人を殺す任務を受けた時点で、自分も死かもしれない事ぐらいは覚悟していた筈だ。
 もしそんな覚悟が無いのだとするならば、そいつはあまりに愚か過ぎる。
「おらああッ!」
 続けざまに、俺の隣を掻い潜ろうとした襲撃者に蹴りを叩き込む。
 胸骨が粉砕し、内臓が破裂する感触。
 そいつはそのまま吹き飛んで、口から泡のような血を吐いて絶命した。
「……!!」
 襲撃者達の視線が俺に集まる。
 どうやら、まずは俺を倒さない事には暗殺も糞も無いと判断したみたいだ。
 それでいい。
 要人達を逃がすくらいなら、他のボンクラ警備員でも何とかなるだろう。
「…おーおー、物々しいこって。
 で、それでお前らは本気で俺に勝つつもりでいるのかい?」
 俺は襲撃者達全員を見据えてゆっくりと告げた。
「10秒やる。
 回れ右して帰りな。
 俺の依頼はあくまで警護で、お前らを殺す為じゃない。
 逃げるんなら、追わないぜ?」
 恐らくこの問いかけは無駄だろう。
 任務を果たさず帰れば、こいつらには厳しい制裁が待ち受けている。
 往くも死。
 退くも死。
 どこにも、逃げ場などありはしない。
「……!」
 10秒後襲撃者達が取った行動は、矢張り逃走などではなく闘争だった。
 各人がナイフや剣などそれぞれの得物を構え、一直線に俺に向かって突っ駆ける。
 音が外に漏れるのを嫌ったのか、必要無いと思ったのか、銃火器は所持していないようだ。
 それは好都合。
 少なくとも、流れ弾が当たって死人が出るといった事態は起こり得ない。
 ならば、こちらも何の気兼ねも無く全力が出せるというものだ…!
「!!!」
 最初に俺に向かって来た3人が、腕の一振りでまとめて肉塊に変わる。
 一切手加減はしない。
 殺す意思を持って俺に立ち向かう以上、こちらも最速最大の力を持って迎え討つ。
 それが、俺が殺す者に対するせめてもの敬意だ。


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