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念を使わせてみよう小説スレッド

2431:2005/01/16(日) 03:14

「ふえええええええええええええん!」
 と、近くから赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。
 何事かと声のした方向に向いてみると、まだ若い女性が必死に赤ん坊をあやしている。
「どうされましたか?」
 する事も無かったので、気紛れにその女性に話しかけた。
 職務怠慢と言われそうだが、それでもそこらのハンターよりかは働く自信があるので気にしない事にする。
「あ、いえ…
 この子が急に泣き出してしまって…」
 泣いている赤ん坊は、まだ10ヶ月かそこらといった所か。
 男の子か女の子かまでは、俺の目では判別出来ないが。
「少しよろしいですか?」
 身を少し屈め、赤ん坊の顔の位置に俺の顔の高さを合わせる。
「いないいないいない… ばぁ〜〜〜」
 赤ん坊に精一杯のおどけた顔をしてみせた。
 こんな顔をギコや八頭身にでも見られたら、いい笑い種になってしまう事だろう。
 しかし、赤ん坊はまだ泣くのをやめない。
「いないいないいない… ばぁ〜〜〜」
 ならばもう一度。
「ふえええええええええええええええええええん!!」
 しかし赤ん坊は余計に泣き喚くばかりで、俺のあやしは効果が無いどころか逆効果みたいだった。
「いないいないいない… ばぁ〜〜〜」
「ふえええええええええええええええええええええん!!」
 三度目の駄目出し。
「お前いい加減こっちが泣くぞ!?」
 人間性を否定された気分になって、思わず涙目で叫ぶ。
 いかん。
 25歳にもなって何やってんだ俺。
「きゃはは、きゃっきゃ」
 途端に、赤ん坊は泣くのをやめて笑い出した。
 もしかして俺に対する嫌がらせか何かか?とも思ったが、
 その無垢な笑顔の前ではどうでもよくなってしまう。
「あの…
 ありがとうございました」
 女性が俺にペコリと頭を下げてくる。
「いえ、別に大した事じゃありませんよ」
 俺もお辞儀を返す。
 一応依頼主の妻か何かだろうから、失礼があってはいけない。
「かわいいお子様ですね。
 男の子ですか、女の子ですか?」
 俺は訊ねた。
「…女の子です」
 しかし返事をする女性の表情は、とても暗いものだった。
 何だ?
 何か俺気に障る事でも言ったか?
「…子供、お好きなのですか?」
 今度は女性から訊ねてきた。
「ええ、まあ」
 個人的な意見かもしれないが、
 やっぱり自分の子供を産んで育てるというのは、
 女にとっての憧れの一つではないかと思うのだ。
 そんな感じの事を以前ギコに話した所、
 事もあろうに「お前が言うか」と大爆笑しやがったので半殺しにしておいた。


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