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念を使わせてみよう小説スレッド
243
:
1
:2005/01/16(日) 03:14
「ふえええええええええええええん!」
と、近くから赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。
何事かと声のした方向に向いてみると、まだ若い女性が必死に赤ん坊をあやしている。
「どうされましたか?」
する事も無かったので、気紛れにその女性に話しかけた。
職務怠慢と言われそうだが、それでもそこらのハンターよりかは働く自信があるので気にしない事にする。
「あ、いえ…
この子が急に泣き出してしまって…」
泣いている赤ん坊は、まだ10ヶ月かそこらといった所か。
男の子か女の子かまでは、俺の目では判別出来ないが。
「少しよろしいですか?」
身を少し屈め、赤ん坊の顔の位置に俺の顔の高さを合わせる。
「いないいないいない… ばぁ〜〜〜」
赤ん坊に精一杯のおどけた顔をしてみせた。
こんな顔をギコや八頭身にでも見られたら、いい笑い種になってしまう事だろう。
しかし、赤ん坊はまだ泣くのをやめない。
「いないいないいない… ばぁ〜〜〜」
ならばもう一度。
「ふえええええええええええええええええええん!!」
しかし赤ん坊は余計に泣き喚くばかりで、俺のあやしは効果が無いどころか逆効果みたいだった。
「いないいないいない… ばぁ〜〜〜」
「ふえええええええええええええええええええええん!!」
三度目の駄目出し。
「お前いい加減こっちが泣くぞ!?」
人間性を否定された気分になって、思わず涙目で叫ぶ。
いかん。
25歳にもなって何やってんだ俺。
「きゃはは、きゃっきゃ」
途端に、赤ん坊は泣くのをやめて笑い出した。
もしかして俺に対する嫌がらせか何かか?とも思ったが、
その無垢な笑顔の前ではどうでもよくなってしまう。
「あの…
ありがとうございました」
女性が俺にペコリと頭を下げてくる。
「いえ、別に大した事じゃありませんよ」
俺もお辞儀を返す。
一応依頼主の妻か何かだろうから、失礼があってはいけない。
「かわいいお子様ですね。
男の子ですか、女の子ですか?」
俺は訊ねた。
「…女の子です」
しかし返事をする女性の表情は、とても暗いものだった。
何だ?
何か俺気に障る事でも言ったか?
「…子供、お好きなのですか?」
今度は女性から訊ねてきた。
「ええ、まあ」
個人的な意見かもしれないが、
やっぱり自分の子供を産んで育てるというのは、
女にとっての憧れの一つではないかと思うのだ。
そんな感じの事を以前ギコに話した所、
事もあろうに「お前が言うか」と大爆笑しやがったので半殺しにしておいた。
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