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念を使わせてみよう小説スレッド

2421:2005/01/16(日) 03:13

「それで報酬の方は?」
 俺はここで本題を切り出した。
 そもそも金を得る為に仕事をするのだから、この問題は重要だ。
「これぐらいで如何でしょう…」
 黒服が電卓を叩いて、表示された数字を俺に見せてきたが、
 俺は無言でその数字を3倍にしてやった。
「!!
 流石にそこまでは…!」
 黒服が表情を曇らせる。
「残念ですが、この話は無かった事に」
 俺はそう言って席を立った。
「ま、待って下さい!
 ですがいくら何でもこの値段は…」
「それだけの値段で絶対の安全が保証されるのなら、安いものだと思いますが?
 それがお気に召さないなら、どうぞ他の方を雇って下さい」
 伊達に体を張って仕事をする訳ではないのだ。
 命の安売りは、したくない。
「…2倍、それが限界です」
 黒服が指を二本立てて俺に見せる。
「…まあ、仕方ありませんね」
 少し不満はあるが、この辺りが妥当な所だろう。
 余り欲を出し過ぎて本当に他の人を雇っても困る。
 ああ、しかし。
 やっぱり丁寧語ってのは肩がこるな。
 後でゲーセンかどっかで息抜きでもしよう。
 そんな事を考えながら、俺は契約書にサインをした。





 1週間後、俺は豪邸の中のパーティー会場の隅で突っ立っていた。
 街から程遠い、閑静とした豪邸の立ち並ぶ住宅街。
 しかし何だ、金というのはある所には集中してあるらしい。
 そこに集うは見るからに悪そうな顔をしたおっさんどもと、
 けばけばしい衣装に身を包んだおばさん方。
 こうして実際にどんな奴を警護するのか来てみれば、
 成る程いかにもあちこちに敵が多そうだ。
 これなら誰かから刺客が送られるのも納得出来るというものである。
 こいつらも心当たりが多過ぎて、誰が自分達を狙っているのか分かりはしまい。
 こいつらがどんな仕事をしているのかは聞いていないし興味も無いが、
 どうせろくな事ではあるまい。
 まあ、その点については俺も人の事は言えないのだが。
 しかし襲われるかもしれないと思いながらも、こうしてパーティーを開催する神経にはある種尊敬する。
 脅しに屈したと思われるのが嫌なのかもしれないが、
 それにしたって無用心に過ぎるというものだろう。
 まあこの会場を囲む警備員の数を見れば、恐怖感の無い狂人という訳でも無さそうではあるが。
「…おい、あの女見てみろよ」
「あれが外法狐か…」
「ベッドの上の仕事の方が儲かってるんじゃないのか…?」
 遠くから、俺と同じように用心棒として雇われたらしきハンターの下卑た視線が向けられてくる。
 あいつら、聞こえていないとでも思っているのか?
 まあいい。
 今の所は、見逃しておいてやる。


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