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念を使わせてみよう小説スレッド

2411:2005/01/16(日) 03:13
 〜番外〜
 【この話は『冥界の支配者編』と『ハンター試験編』の間の時間設定です】

 現代社会で人が生きていくには何が必要か?
 と問われたところで明確な答えは返ってこないだろう。
 例えば力。
 例えば健康。
 例えば安全。
 例えば食料。
 例えば水。
 例えば娯楽。
 例えば目標。
 どれも正解で、そしてそれだけでは回答にはならない。
 全てがバランスよく合わさって始めて、模範的な回答となるのだろう。
 そして、お金というのはその中でもかなり重要な要素と言える。
 お金こそ人間の生み出した賢者の石と言っても過言では無いかもしれない。
 何しろ唯の金属や紙が、ありあらゆる物品と交換されるのだから。
 …などと、今は柄にも無い哲学に耽っている場合じゃないか。
「あの、外法狐様、よろしいでしょうか?」
「え、ええ」
 高級ホテルの内部にあるレストランの個室の中、
 俺はテーブルの向かいに座る目の前の黒服男に言葉に生返事で返した。
「用は、この私に護衛を依頼したいと」
 『私』という一人称はむずがゆいが、
 公の交渉の場で『俺』などと名乗る程常識が無い訳でもない。
 で、ここで何をやっているかというのだが、
 仕事の口があると八頭身から連絡があったので、
 生活資金もそろそろ底を突きかけてきた事もあって話に乗る事にしたのだ。
 実際問題、お金が無ければ少なくともこの東京においては生活出来ない。
 先程の似非哲学も、それつながりの戯言だ。
 やれやれ、やっぱ馬鹿力だけじゃあおまんまは食っていけないか。
「そうです。
 今日から1週間後に、とある場所でさる高名な方々の会合兼親睦会があるのです。
 秘密保持ゆえ今はまだ具体的な場所は明かせませんが…
 貴女には、そこの護衛をして頂きたいのです」
 丁寧な口調で黒服が喋る。
「それは構いませんが…
 パーティー警備員程度なら相応の使い手がその高名な方々とやらの私兵隊にもいるでしょう。
 わざわざ私にまで声を掛ける程の仕事とも思えませんが」
 事実目の前の黒服だって、『禍つ名』程ではないだろうが、
 そこらの筋者など及びもつかない程の使い手だろう。
 いくら要人の集まるパーティーとはいえ、
 さんざん曰く付きな上に金までかかる『禍つ名』のハンターである俺に依頼する程とは思えない。
「…実はここ最近、我々の雇い主である方々が何度か襲撃されています。
 しかも的確に警備が薄くなるタイミングなどを狙って」
「ああ… 成る程」
 つまりは情報が漏れているという事か。
 身中の蟲か、凄腕の情報屋を使ったかは分からないが、
 重要なのはそこではなくて、情報が筒抜けになっているという点だ。
 そしてその情報を駆使して、敵対行動を取る奴が存在している。
 ならばそのパーティー会場とやらは要人を一網打尽にする絶好の機会であり、
 当然敵も万全の準備をして何らかの行動に出てくる可能性が高い。
 もしかしたら、『禍つ名』あたりまでが出てくるかもしれない。
 だからこそ、こうして俺にまで声が掛かったという事か。
「事情は大体分かりました。
 この仕事、お受けしましょう」
「本当ですか!
 それはありがとうございます!」
 黒服が感無量といった表情を見せる。
 それがお世辞かどうかまでは、俺には分からない。


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