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念を使わせてみよう小説スレッド
240
:
1
:2005/01/14(金) 00:52
「狐さん!」
急いで狐さんを抱え起こそうとする。
狐さん、どうか無事で―――
「心配すんな」
むくりと、何事も無かったかのように狐さんが起き上がった。
その手には、馬鹿でかい銃弾のようなものが握られている。
「20ミリ徹甲弾…
はん、対物ライフルかよ。
こんなもので俺を殺せると思ってるなんてね」
狐さんが銃弾を握り潰して地面に捨てる。
あの、対物ライフルって、確か戦車とかを撃ち抜く為の銃ですよね。
そんなものを素手で受け止めたというのか!?
「しっかし、くっそ、こりゃ結構痛えな。
まだ受け止めた腕がジンジンするぜ」
対物ライフルを喰らって、結構痛いという感想を述べる狐さん。
そこまでの力がありながらお化けが恐いなんて、本気で理解に苦しむ。
「狐!
大丈夫か!?」
八頭身が駆け寄る。
「ああ、何とかね」
けろりとした顔で答える狐さん。
「ならすぐに身を隠すぞ!
すぐにまた次の攻撃が―――」
「いや、その必要はねえ」
狐さんが八頭身の言葉を遮る。
「後ろを見せて逃げれば、それこそ奴らの思う壺さ。
ここから、反撃を仕掛ける…!」
そう言いながら、狐さんが足元の石ころを拾い上げた。
「さっきの銃撃の角度と、銃声との時間差で大体の位置は掴んだ。
今度はこっちの番だぜ…!」
@ @ @
「…どうだ、やったか?」
兄者が対物ライフルを構えたレモナに訊ねる。
「…失敗よ。
信じられないわ。
あの化物、対物ライフルの銃弾を素手で受け止めるなんて…」
笑うしかないといった表情で、レモナが返す。
「お化けか何かか、あいつは…」
弟者が呆れたように呟く。
「核ミサイルでも持ってくるべきだったわね」
レモナは冗談のつもりで言ったが、しかしそれは凡そ冗談には取れなかっただろう。
少なくとも、ここにいる4人にとっては。
「仕方無いな。
標的を変えるとしよう」
ウララーがレモナに告げた。
「ええ、分かってるわ。
外法狐は無理でも、他の奴らなら―――」
次の瞬間、レモナのすぐ横の地面が爆ぜた。
「え―――?」
驚愕に目を見開くレモナ。
その直後には、今度は隣の木の幹が弾け飛ぶ。
「!?」
何だ、これは!?
狙撃!?
四人の間を混乱が駆け巡る。
馬鹿な。
奴らは銃火器など持っていなかった筈だ。
なのにどうやって―――
「!!
これは…!」
兄者が抉れた地面の中から一つの塊のような物を発見した。
これは、石!?
まさかこんなもので攻撃してきたというのか!?
念能力で肉体を強化して、石を放り投げて!?
理屈はそれで説明がつくが、そんな事が実際にあり得るのか!?
ここは、奴らからはゆうに1・5キロは離れているんだぞ!?
「逃げろおおおおおおお!!」
ウララーが叫ぶ。
その間にも、4人の周囲にある地面や木が次々と石の銃弾で粉砕されていく。
旗色が悪いと察知し、すぐにその場から逃げる『兇人絶技団』。
対物ライフルは、構えて狙って撃つという3つの動作が必要だが、
向こうは意思を狙った場所に投げるだけという一挙動。
しかも弾丸代わりとなる石はそこら中に落ちている。
だが、普通はそんなハンデは無いも同然なのだ。
それはそうだろう?
対物ライフルが石ころに劣るなどと誰が考える?
「……!」
兄者は息を飲んだ。
これが、これが外法狐か。
その圧倒的な戦力を持ってして、
あらゆる戦術や戦略と対抗し得る、絶対的最強者。
そいつが戦う事自体が、既に戦術行為であり戦略行為である戦いの女神。
そんな化物が、今現実に自分達の前に存在している…!
「藪を突いて大蛇が出たか…!」
兄者は、遥か前方に位置する羅刹に戦慄するのだった。
〜続く〜
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