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念を使わせてみよう小説スレッド
234
:
1
:2005/01/14(金) 00:49
「で、でも、その『妖滅』は『D』っていうのが狙いなんでしょう?
なのにどうして僕達なんか…」
「簡単さ。
『妖滅』は『D』の退治と同時に、情報の隠匿も依頼されてんだろ。
だから目撃者の君達を殺そうとした。
ここに来るまでにも、いくつか死体が転がってたからな。
多分『妖滅』か、それかそいつらを追っ手と勘違いした『D』の仕業だろ」
…!
冷や汗が流れる。
既に、犠牲者が出てしまっていたのか。
だとすれば、もう何人死んでしまっているのだろうか?
「いいか少年。
もうここは試験会場なんかじゃない。
戦場だ。
ここには倫理や道徳や正義なんてのは存在しない。
狩る者と狩られる者、殺す者と殺される者、奪う者と奪われる者、
生きる者と死ぬ者だけだ。
覚悟を決めろ。
でないと、死ぬぜ?」
戦場―――
まさか、成り行きで参加したハンター試験が、こんな事になるなんて。
「…!
そ、そうだ!
誰かに助けを…」
僕は携帯電話を取り出して、そこで電池が切れている事を思い出した。
糞。
こんな時にタイミングの悪い…!
「電話なんか無駄だぜ。
さっき俺も試してみたが、どうやら妨害電波を撒かれてる」
妨害電波。
まあ考えてみれば当然だよな。
それぐらい、当然の準備としてしているだろう。
「…ハンター協会の人が、助けに来てくれますかね?」
「当てにはならないだろうな。
連中事なかれ主義だから、異常を察知しても黙殺してる筈だ。
よしんば救助が来たとして、『妖滅』相手じゃどうしようもねえ。
死体が増えるのが落ちさ」
首を横に振り、狐さんが答える。
「…その、『妖滅』ってのはそんなに強いんですか?」
何て愚問なのだろうか。
その答えは、先程の狐さんとレモナさんとの戦いで、
これ以上無い位に証明されているというのに。
「強いね。
伊達に『禍つ名』の一位に君臨し続けちゃいねえよ。
そうだな…
例えば二位の『魔断』がオリンピックの銀メダルなら、『妖滅』は金メダルだ」
銀メダルと金メダル。
その差は文字通りコンマ数秒程度の紙一重。
しかし、そこに存在する差は、とてつもなく絶対的だ。
そのコンマ数秒が、歴然とした断絶として優劣を分けているのだ。
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