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念を使わせてみよう小説スレッド

2311:2005/01/11(火) 23:08

「…そういえば、君は?」
 八頭身が僕の存在に気づいたのか、こちらに目を向ける。
「あ、始めまして。
 僕は宝擬古(タカラギコ)っていいます」
 本当の名前は、忘れてしまった。
「そういや紹介が遅れたな、少年。
 この八頭身は外法八(げほう はち)。
 俺の身内で、情報屋もやってる」
 この人も外法なのか。
 しかし思ったのだが、外法とは変態の巣窟なのか?
「へえ、てことは君が狐の言ってた友達ってやつか。
 ふうん、君みたいなどこにでも居そうな少年が、ねえ…」
 八頭身がしげしげと僕を観察するような目で見回す。
 何だよもう。
 感じ悪いなあ。
「さて、のんびりしてる時間はあんまりねえぞ。
 今のうちにゆっくり休んどけ。
 ギコの坊主が目を覚ましたら、すぐに出発するからな」
 狐さんがドッカと腰を下ろす。
「出発するって、どこにですか?」
 僕は狐さんにそう質問した。
「この樹海の外だ。
 一刻も早く、ここから逃げる」
 狐さんが短く告げる。
 その厳しい顔つきが、事態の危険さを雄弁に物語っていた。



          @        @        @



「会長!!」
 ハンター協会日本支部会長室に、若い女性の秘書が飛び込んで来る。
「何じゃ、騒々しい」
 ゆっくりと秘書に顔を向ける初代茂名(はつしろ もな)こと、初代モナー会長。
 柔和な皺が刻まれたその顔とは裏腹、
 体から発せられている威圧感はまだまだ現役そのものといった感じである。
「ハンター試験4次試験会場に、『妖滅』の一員の乱入を確認しました!
 現地の試験官からも連絡が途絶えています!」
「知っておる」
 渋い顔で、初代モナー会長は答えた。
「でしたら、何故そんなにのんびりとしておられるのですか!?
 すぐに救助隊を送って下さい!
 でないと、このままでは全員皆殺しに―――」
 秘書は会長に詰め寄ろうとして、足を止めた。
 初代モナー会長が、静かな、しかし獅子ですら足が竦みそうな眼光で秘書を見据えたからだ。
「救助を送れば『妖滅』をどうこう出来ると、本気でそう思うておるのか?」
 秘書は返す言葉が無かった。
 会長の視線に怖気づいたというのもあるが、
 『妖滅』相手に援軍を送った所で、無駄に犠牲者を増やすだけだと悟ったからである。
「…今回のハンター試験は合格者無し。
 そのように情報を操作しておけ。
 栄誉あるハンター試験を、裏の者の名で汚す訳にはいかん」
「…はッ」
 一礼し、秘書はそそくさと会長室から退出していった。
 初代モナー会長だけが、ただっ広い部屋の中に残される。
「…『禍つ名』め。
 どこまで協会をコケにすれば気が済む…!」
 初代モナー会長の瞳には、黒々とした憤怒の炎が宿っていた。


               〜続く〜


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