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念を使わせてみよう小説スレッド

231:2004/11/13(土) 01:38

「そうか… 俺の所為で気分を害したんなら謝るよ。
 それじゃ、これで最後だ。
 念使いがこの世界でどうやって生きていくのか、これを教えておく」
 真剣な顔で、狐さんが口を開いた。
「いいか、念ってのは確かに便利な能力だが、
 使い方を間違えれば… いや、間違えなくても危険な力になる。
 念を使えない奴にとってみりゃ、俺達は化け物も同然さ。
 何せ、銃(チャカ)や日本刀(ポントウ)を遥かに凌ぐような凶器を、
 常に体の内側に隠して歩いているようなものだからな。
 当然、精神力が弱けりゃ力に飲まれる」
「そんなに恐い力なら、使わなければいいだけじゃないですか」
「それは無理だ、少年。
 いいかい、俺も君も、もう力を持ってしまったんだ。
 それを制御する事は出来ても、無視する事は出来ない。
 今更無かった事には出来ないんだ。
 そしてこの念という力は、放置するには余りにも強過ぎる。
 結局、捌け口見つけて折り合うしかないのさ。
 野球が上手い奴は野球選手を目指さずにはいられない。
 ピアノが上手い奴はピアノを捨てる事が出来ない。
 昨日、俺が君に日常を失うと言ったのはそういう事なんだぜ?」
 そうか。
 あれは、そういう事だったのか。
「そして、およそ日常では念能力を使うような事態なんてまず起こらない。
 しかし力は使いたい。
 するとどうなるか?
 答えは簡単、使わざるを得ないような事態に首を突っ込む」
 狐さんが獰猛な笑みを見せた。
「まず一つ。 これはすぐに思いつくだろう、悪党だ。
 力を持て余した奴、力に飲み込まれた奴、力に狂った奴は大概この道に堕ちる」
 成る程、つまりはあんたみたいな人がそうなるのか。
「次は、その悪党に対抗する為の組織。
 分かりやすくいえば警察や政府お抱えの兵隊だ。
 と言っても、別にこれは正義の味方という訳じゃないぜ。
 お前も政府が善人の集団なんて思っちゃいねえだろう?
 あいつらだって、裏でやってるのはマフィアとかとどっこいどっこいさ。
 あくまで対抗組織であって、それ以上じゃない」
 正義の味方はテレビの中だけの存在。
 分かってはいたが、仮面ライダーなんて現実にはありえなかったという事か。
「三つ目、これらの組織に所属せず、己の力を頼みに生きていく人種。
 それが、『ハンター』だ。
 そして俺はこれに属している」
 『ハンター』?
 どうでもいいが、もっとセンスのあるネーミングは無いのか。
「『ハンター』ってのは、年に一回行われる『ハンター試験』ってのに合格する事で与えられる免許証(ライセンス)を持った、
 自営業の何でも屋みたいなもんなんだけど、中には免許を持たないモグリもいる。
 ま、さっき己の力のみを頼りにって言ったけど、
 『ハンター』の社会にも寄り合いとか派閥とか組織みたいなものはあってね、
 実際には一人(ピン)でやってる奴なんか稀さ」
 個人は集団に屈する。
 数の暴力がこの世で最も恐ろしい暴力という事は、矢張りどこでも同じらしい。
「狐さんは一人で働いてるんじゃないんですか?」
 僕は訊ねた。
「俺は、えーと… まあ、仕事は大体一人でやってるんだけどね。
 一応ある集団に所属しているのさ、これが」
 何やらあまり言えないような事情があるらしい。
 というか、狐さん程の人でもどこかの組織に組していないと生活出来ないのか。
「まあ、『ハンター』も裏家業って事には変わりはないがね。
 口に出せないような仕事だって、結構ある」
 そこまで聞いて、僕は狐さんの札束がどういう意味を持っているのかについて思い当たった。
 口には出せない仕事。
 それは、例えば、一つ挙げるとするならば…


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