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念を使わせてみよう小説スレッド
227
:
1
:2005/01/11(火) 01:00
「!!!!!」
いきなり、女性が僕と密着させていた体を離した。
その直後、さっきまで女性のいた場所を物凄い勢いで人影が横切る。
女性に対して何かしらの攻撃が行われたのだろうが、
速過ぎてどんな攻撃だったのかは分からない。
いや、問題は“それ”じゃない。
一体、誰が―――
「き―――」
僕は目を疑った。
どうして。
どうしてこの人がここに居る!?
どうして!?
「お、お前は…!」
女性が驚愕に目を見開いた。
どうやら、女性にとっても“この人物”の登場は想定外だったらしい。
「お前はお前はお前はお前はお前はお前はお前はお前はお前はお前はお前はお前はぁッ!」
長い髪を後ろで括ったヘアスタイル。
並みの男より遥かに高い身長。
引き締まった体。
控えめな胸囲。
和服姿。
綿雪の様に白く、透き通った肌と髪。
見間違える筈も無い。
これは、この人は―――
「狐さん!!」
「外法狐!!」
女性と僕の発生は同時だった。
「あいよぉ」
飄々と、飄々と―――
まるで軽い挨拶でもするかのように、狐さんは片手を上げて答えた。
それだけで、僕は安心した。
これ以上無いくらい、目の前の化物みたいな女性などどうでもよくなる位に…
心から、安心していた。
「狐さん…!」
僕は思わず狐さんに駆け寄る。
「よっす。
よく頑張ったな、少年」
僕を庇うように、狐さんが女性の前に立ちはだかる。
よく見ると、今日の狐さんの着物は迷彩服のような柄をしていた。
こんな着物、持ってたんだ。
「しっかしよお…
慌てて駆けつけてみりゃあ、濡れ場に遭遇するんだからな。
流石に俺もここまでは予想してなかったぜ」
げげ。
あれ、見られてたのか。
誤解です、狐さん。
あれは一種の逆レイプというやつで…
「まあでも、横恋慕は感心しねえな、そこの女。
こいつは、俺が殺すんだ」
不敵な面持ちのまま、狐さんが女性を見据えた。
「あ、あんたがどうしてこんな所に―――」
女性が狐さんに訊ねる。
「ああ、心配すんな。
別にそっちの仕事を邪魔するつもりは無い。
偶然ここに俺の友達が居る事を知ったから、助けに来たまでだ。
お前さんみたいなこわーい連中がうようよしてると知ってて、見殺しにゃあ出来まいよ。
で、ここから相談だ。
見逃せ。
そうすりゃ、俺はお前らとは戦わない」
まさかそれだけで、本当にそれだけでこの人は僕を助けに来てくれたのか?
どうして、僕なんかの為にそこまで―――
「そんな理屈が通用すると思ってるの!?
アタシ達が誰だか、知っているんでしょう?
いいかしら、アタシの名前は…」
「そこまでだ」
狐さんが女性の言葉を遮った。
「それ以上は言わない方がいい。
名乗れば、俺はお前を殺さなければいけなくなるし、
お前も俺を殺さなきゃいけなくなる。
俺達にとって、名前を名乗るってのはそういう事ってのは言うまでもねえだろ?
いいか、もう一度言う。
俺にお前さん方の仕事を邪魔するつもりはない。
俺は正義の味方じゃねえからな。
お前さん方がどこで何人殺そうが知ったこっちゃないし、知るつもりも無い。
勿論、ここで何があったかを吹聴して回りやしない。
だから、見逃せ」
「ははッ。
アタシ達『兇人絶技団(サーカス)』に、任務放棄の四文字があると思っているのかしら?
悪いけど答えはNOね。
名乗った上で、あなたを殺すわ」
女性が嘲笑うかのように狐さんに告げる。
「そうかい。
ならしょうがねえわな…」
狐さんの体を気が纏う。
『不死身の肉体(ナインライヴス)』。
最強の、強化系念能力。
「上等だ、女。
姓(かばね)を曝して、屍(かばね)を晒しやがれ…!」
〜続く〜
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