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念を使わせてみよう小説スレッド

2261:2005/01/11(火) 00:59

「お・待・た・せ」
 ルンルンと、女性が動けない僕に近寄ってくる。
 来るな、化物。
 こっちに来るな…!
「ああ、いいわぁ、その顔、その目。
 一目見た時から気になってたのよ」
 女性の両手が僕の顔に触れる。
 さっき、ギコを倒した手が。
「可愛い顔してるくせに、
 こんな死と狂気と混乱と混沌と災厄と最悪がごちゃまぜになった、
 どうしようも無い程救いようの無い目をしてるなんて、
 アタシじゃなくても放っておかないわよ。
 どうしたら、あなたみたいなのが生まれるのかしら?」
 女性が僕の顔を撫で回す。
「た、た、た、助け―――」
 恐い。
 恐い恐い恐い恐い。
 恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い。
 僕の思考が恐怖のみで埋め尽くされていく。
「…そういやあなた、そこに倒れてる坊やにそっくりねえ。
 兄弟か何かかしら…?
 …まあ、今はそんな事どうでもいいわね。
 ゆっくりと、熱い一時を共有しましょう」
 そんな僕にはお構い無しに、女性が強引に僕の唇に自分の唇を重ねる。
 僕の口内で、女性の舌がまるで別の生き物のように蠢く。
「……!」
 1分程、ディープキスを交わしたところで―――
 ゆっくりと、女性は唇を離した。
「…うふふ。
 こんなにドキドキするのは、久し振りだわ。
 いいえ、もしかしたら初めてかもしれない。
 よかったわねぇ、坊や。
 これから、じっくりとゆっくりと時間を掛けて、
 殺しながら冒してあげる…」
 女性が背筋の髄から髄まで凍りつきそうな、冷たく情熱的な笑みを浮かべた。
 助けて。
 誰か、助けてくれ。
 嫌だ。
 こんなのは、もう嫌だ。
 僕を助けてくれ。
 ああ、だけど、そんなのが都合良く来る訳がないじゃないか。
 このまま、
 このまま僕は殺されるのか?
 何も出来ず、ギコも助けられず、あっけなく。
 この樹海の中で、誰の目にも触れず。
 嫌だ。
 助けてくれ。
 誰か―――

 ―――狐さん…!


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