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念を使わせてみよう小説スレッド
226
:
1
:2005/01/11(火) 00:59
「お・待・た・せ」
ルンルンと、女性が動けない僕に近寄ってくる。
来るな、化物。
こっちに来るな…!
「ああ、いいわぁ、その顔、その目。
一目見た時から気になってたのよ」
女性の両手が僕の顔に触れる。
さっき、ギコを倒した手が。
「可愛い顔してるくせに、
こんな死と狂気と混乱と混沌と災厄と最悪がごちゃまぜになった、
どうしようも無い程救いようの無い目をしてるなんて、
アタシじゃなくても放っておかないわよ。
どうしたら、あなたみたいなのが生まれるのかしら?」
女性が僕の顔を撫で回す。
「た、た、た、助け―――」
恐い。
恐い恐い恐い恐い。
恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い。
僕の思考が恐怖のみで埋め尽くされていく。
「…そういやあなた、そこに倒れてる坊やにそっくりねえ。
兄弟か何かかしら…?
…まあ、今はそんな事どうでもいいわね。
ゆっくりと、熱い一時を共有しましょう」
そんな僕にはお構い無しに、女性が強引に僕の唇に自分の唇を重ねる。
僕の口内で、女性の舌がまるで別の生き物のように蠢く。
「……!」
1分程、ディープキスを交わしたところで―――
ゆっくりと、女性は唇を離した。
「…うふふ。
こんなにドキドキするのは、久し振りだわ。
いいえ、もしかしたら初めてかもしれない。
よかったわねぇ、坊や。
これから、じっくりとゆっくりと時間を掛けて、
殺しながら冒してあげる…」
女性が背筋の髄から髄まで凍りつきそうな、冷たく情熱的な笑みを浮かべた。
助けて。
誰か、助けてくれ。
嫌だ。
こんなのは、もう嫌だ。
僕を助けてくれ。
ああ、だけど、そんなのが都合良く来る訳がないじゃないか。
このまま、
このまま僕は殺されるのか?
何も出来ず、ギコも助けられず、あっけなく。
この樹海の中で、誰の目にも触れず。
嫌だ。
助けてくれ。
誰か―――
―――狐さん…!
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