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念を使わせてみよう小説スレッド

2171:2005/01/07(金) 18:44



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「そこだあああああああああああああ!!」
 ギコが誰も居ない空間に向かって突進する。
 何を!?
 どうして、そこに敵がいるなんて保証がどこにある!?
「ギ―――!」
 僕が呼び止める間も無く、ギコは闇しか存在しない空間を狙って一閃する。
「!!!」
 血飛沫。
 しかしそれはギコのものではなかった。
 何も無い筈の空間から、勢い良く血が噴き出す。
 馬鹿な。
 どうして、ギコはあそこに敵が居ると分かったんだ!?
 夕方襲われた時には、見つける事など出来はしなかったのに。
「―――!」
 一つの仮説が頭に浮かんだ。
 まさか。
 まさかギコは、この為に罠を仕掛けたのか!?
 敵を罠に引っ掛けるのがそもそもの狙いなどではなかったのか。
 露骨に容易く発見されるように罠を仕掛け、敵の進行ルートを制限したんだ。
 わざと罠の無いルートを予め作っておいて、敵がそのルートを進むように。
 どこから来るのかさえ分かっていれば、
 気配で近くにいるという事だけ事前に察知するだけでも問題無い。
 寧ろ必要十分だ。
 後はそこを狙えばいい。
 敵は罠を避けているつもりで実は、それこそが本当の罠とは知らずにいたという事か。
 そこまで、ギコは考えていたのか。
「多分、お前の考えてるので当たりさ」
 僕の考えを見透かしたように、ギコが言った。
 こいつは―――何て奴なんだ。
 こと戦闘における嗅覚とセンスにおいては、あの狐さんにも引けを取らない。
 こんな奴が、僕の隣にいるなんて。

「くッ…!」
 と、何も見えない場所から呻き声が漏れた。
 いや、徐々にだが人影のようなものがうっすらと見え始めている。
 ギコの斬撃による傷で、カモフォラージュが解かれたのか。
「…!?」
 姿を完全に現した敵の姿に、僕は絶句した。
 こいつは、この人は―――
「山崎渉、さん…?」
 どうして!?
 2次試験では、僕達に協力してくれたのに。
「…はッ、あんただったのかよ。
 まあ、最初見た時から何か胡散臭えとは思ってたがね」
 山崎渉さんを見下ろし、ギコが吐き捨てる。
「大方、あんたが有名な『新人潰し』か何かだろ?
 ま、そんなのどうでもいいけどな」
 刀を突きつけたまま、ギコは山崎渉さんに言った。
「…君の言う通りさ。
 まさか、こんな子供に敗れるとは…」
「勝利を確信した時、そいつは既に敗北している。
 それがお前の敗因だ」
 お前それ、スピードワゴン財団の石油王の台詞じゃねえか。
「…降参だよ、降参。
 すまないが、手当てを―――」
「死ね」
 両手を挙げて降参のポーズを取ろうとした山崎渉さんの首を、一瞬にしてギコは斬り落とした。


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