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念を使わせてみよう小説スレッド

2131:2005/01/05(水) 23:00



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 かおりんは、同じ試験官である青年と共に富士山樹海を捜索していた。
 それは勿論、どこかに隠れている受験生を見つける為である。
「どうなんだ、かおりん。
 今年の受験生の出来栄えは」
 青年がかおりんに訊ねる。
「そうですね〜。
 例年とあんま変わりません。
 あ、でも気になる子はいるんですよ?」
「ほう、それは?」
「えっとお、二人組みの男の子なんですけど〜、
 名前は忘れちゃいました〜〜〜」
 てへ、っとかおりんが舌を出す。
 呆れたように溜息をつく青年。
「でも、結構掘り出し物かもしれませんよ〜?
 一人は念も使えるみたいですし〜」
 のほほんとした口調を崩さぬまま、かおりんは喋る。
「ふん。
 ハンターになれば、念なんぞ珍しくもなんとも…」
 青年がかおりんにそう言おうとした瞬間―――
「!!!」
 かおりんと青年が同時に足を止めた。
 前方に、一人の男が居るのを目撃したからだ。
 あれは、誰だ?
 隠れもしないなんて無用心な…
 待て、あんな奴、受験生の中に居たか?
 いや、居ない。
 1次試験のように何千人も居るならともかく、
 この4次試験には30人しか居ない為、見間違いはあり得ない。
 何より鬼役をするにあたって、4次試験受験生の顔はしっかり頭に叩き込んでいる。
 だからこそ、はっきりと断言出来る。
 あの男は、間違い無く部外者だ。
「…あなた誰ですか〜。
 自殺なら他所でやって下さ〜〜〜い」
 呑気な口調のまま、かおりんが男に訊ねる。
 フーン顔の8頭身であるその男は、つまらなさそうにかおりん達に視線を向ける。
「……!」
 ぞわり。
 かおりんと青年の体中から鳥肌が立つ。
 何だ。
 何だこいつは。
 受験生どころか、人間にすら思えない。
 何で、こんな奴がこんな所に―――
「…お前ら、変な怪物を見なかったか?」
 フーン顔の八頭身は、仏頂面のままかおりん達に質問した。
「……?」
 いまいち質問の意図が掴めず、二人は要領を得ない顔をする。
「ああ、知らないのか。
 ならいい。
 うん、まあ、どっちにしたって―――」
 フーン顔の八頭身の男が、かおりんと青年を見据える。
 昏い昏い―――
 まるで、闇の底のような眼で。
「“ここであった”時点で、殺すつもりだからな」
 ―――殺される。
 かおりんと青年は、瞬時にしてそう直感した。
 そして直感した時には、二人はもう動いていた。
 青年は懐から銃を抜き、かおりんは念の槍を創り出す。
 そして青年は目の前の魔人に銃を向けて…
「『殺人奇術(マントラップ)』」
 フーン顔の8頭身の指が、僅かに動いた。


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