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念を使わせてみよう小説スレッド

2101:2005/01/04(火) 22:15

『でも、いきなりどうしてこんな情報聞いたんだい?』
 8頭身が訊ねる。
「別に。
 ただの野暮用さ」
 そっけなく、外法狐は答えた。
『…まさか、富士山樹海に行くつもりなのか!?』
 8頭身が信じられない、といった声でがなり立てる。
「……」
 外法狐は答えないが、その沈黙が肯定である事を雄弁に物語っていた。
『馬鹿!
 何を考えているのか知らないが、やめるんだ!
 相手は『妖滅』、しかも『兇人絶技団』なんだぞ!?
 いくら君とはいえ、ただでは済まない!』
「かもな」
 低い声で、外法狐は答えた。
『だったらどうして!?
 みすみす死にに行くつもりなのか!?』
 8頭身の叫び声が受話器越しに届いてくる。
「友達が、そこに行ってる。
 そいつを助けなきゃならない」
 まるでさも当然の事のように、外法狐は告げた。
 「ちょっとその辺に散歩に行ってくるよ」とでも伝えるかのように、平然と。
『友達って…
 前から変な奴だとは思っていたが、
 どうしてそれだけでそこまで出来るんだ!?
 そいつは、そんなに大切なのか!?』
「あいつは」
 外法狐は一つ息を飲み込んで、言葉を続けた。
「あいつは、命を懸けると言ってくれた。
 俺なんかの為に、命を懸けると言ってくれた。
 だから俺も、あいつの為に命を懸ける。
 理由としちゃそれで十分だ」
 外法狐の瞳に迷いは無い。
 既に、どんなものとでも戦う覚悟は出来ている。
 故に後は、それを行動に移すだけ。
『…二重の意味で驚いているよ。
 そんな理由で『妖滅』なんかと張り合う気になれるのと、
 そこまで思えるような奴を君がどうして殺していないのか、
 という事についてね』
「さあね。
 俺にも詳しい事は分からんよ。
 まあ、そんなのはそいつを助けてから考えるさ」
 外法狐が苦笑する。
『…分かったよ。
 仕方が無い。
 君だけ居れば大丈夫だろうが、念の為僕も同行させて貰おう。
 君にそこまで言わせる奴が、どんな人物なのかも興味あるしね』
「八、お前…」
『勘違いしないでくれよ。
 これはあくまで取引、ギブ&テイクだ。
 終わったら、1さんとのデートに協力して貰うからな』
「そうかい、了解したぜ。
 無事に終わったら、ディズニーランドだろうがラブホテルだろうが、
 どこでもセッティングしてやるさ」
『頼んだよ』
「ああ。
 それじゃ、静岡駅で落ち合おうぜ」
 それだけ会話を交わすと、どちらともなく電話を切った。
「さあて…」
 外法狐が大きく背伸びをする。
「そんじゃいっちょ、久し振りに本気になるとしますかねえ。
 ああ面倒臭え。
 あの少年め、後でそれなりの埋め合わせをして貰うからな」


                   〜続く〜


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