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念を使わせてみよう小説スレッド

2061:2005/01/03(月) 02:37



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 とある高級ホテルの一室で、外法狐はゲームに勤しんでいた。
 周囲の床には、読み捨てた漫画が散乱している。
「…あ」
 ふと、少し前に携帯電話が鳴っていたのを思い出した。
 のそのそと、充電器に立てかけている携帯電話に手を伸ばす。
『ハンター試験で静岡に行く事になったんですが、お土産は何がいいですか?』
 タカラギコからの着信履歴で、そういった内容のメールが入っていた。
 という事は、メールの時点ではまだあの少年は脱落してないという事だ。
 存外に、健闘しているらしい。

『〜〜〜♪』
 と、その時外法狐の携帯電話が着信の合図である音楽を奏でた。
 この音楽、『デビルマン』は外法八こと8頭身からの着信だ。
「もしもし、八か?」
 外法狐が電話に出る。
『やあ、狐。
 例のDについての事なんだけど、新しい情報が入ってね。
 一応、報告しようと思ったんだ』
「そうか。
 まあ聞いておくよ。
 それで?」
『うん。
 どうやら『兇人絶技団(サーカス)』はかなりDを追い込んでるみたいだね。
 それで、Dの生き残りはとある場所に逃げ込んだらしい』
「へえ。
 それでその場所はどこなのよ?」
『富士山樹海』
 ―――!
 外法狐が一瞬、硬直する。
 富士山。
 静岡県。
 少年。
 いや、まさか。
 そんな偶然が―――
 いいや。
 あの少年なら、充分にあり得る。
 あんな運命を持つ少年が、そんなのを巻き込まない筈が無い…!
「八…」
 動揺を抑え、外法狐は8頭身に言った。
『何だい?』
「…今年のハンター試験って、今どこでやってる」
『?
 どうしたんだよ、藪から棒にそんな質問―――』
「どこでやってるかって聞いたんだ! 答えろ!!」
 外法狐は受話器に向かって叫んだ。
 受話器の向こうでは、8頭身が突然の大音量による耳鳴りに悶える。
『わ、分かったよ…
 ちょっと待ってて、すぐに調べるから』
「悪いな」
 そこで一旦電話を切ると、外法狐は急いで外に出る身支度を整え始めた。
 そうか。
 あの不安は、これだったのか。
 しかし、よりによって『妖滅』―――
 しかも、『兇人絶技団』とは。
 出来るだけ、奴らとは関わり合いにはなりたくなかったのだが―――
 しかしこうなってしまっては已むを得まい。
 あの少年の運命が、あんな物騒な奴らを引き寄せない筈が無い。
 確実に、奴らとあの少年は鉢合わせする。
 そうなった場合、穏便に事が進みはしないというのは、想像に難くない。
 最悪―――
 いいや、5割以上の確率で戦闘になる。
 どころか、戦闘と呼べるものにすらなりはしないだろう。
 一方的な虐殺。
 そうなれば、あの少年の命など『妖滅』の前では風前の灯も同然だ…!
「…ったく、俺も損な性分だあねぇ」
 自嘲しながら、外法狐は特注しておいた着物に袖を通すのだった。


                   〜続く〜


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