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念を使わせてみよう小説スレッド
201
:
1
:2005/01/02(日) 00:10
「…君はここで僕と別れた方がいい、ギコ。
あいつが僕を狙ってるっていうなら、僕一人で…」
「僕一人で引き受けるっていうのは無しだぜ。
お前みたいな半分素人に、どうこう出来る手合いじゃねえよ。
それに、お前とつるんでる時点で、俺も立派な標的の一人だろうしな」
皮肉っぽい笑みを浮かべながら、ギコは静かに告げた。
「…すまない」
「謝るなって。
まあ悲観するばかりでないさ。
確かにお前一人じゃ無理かもしれねえが、今は俺もいるしな。
2対1に持ち込めれば、大した事ねえだろ」
ああ、そうか。
どうしてギコが、今こうして僕を連れてあてどなく歩いているか、ようやく分かった。
僕を餌に、尾行している相手を誘っているのだ。
2対1は不利とみて逃げるならそれでよし。
誘いに乗るならそれでよし。
よくもまあ、そこまで度胸が座っているもんだ。
「ここら辺でいいか…」
人気の無い路地裏に入った所で、ギコは足を止めて振り返った。
「出て来いよ。
折角おあつらえ向きの舞台を整えてやったんだぜ。
それとも、尻尾巻いて逃げ出すか?」
竹刀袋入れから刀を取り出しながら、ギコが未だ姿を見せぬ相手に向かって挑発する。
しかし、そこには人っ子一人居はしなかった。
「……」
沈黙が続く中、時間だけが流れていく。
「…本当に、誰かが尾行してたのか?」
僕はギコに言った。
こいつ、格好いい台詞を言ってみたかっただけなんじゃないだろうか。
そんな不安が、僕の頭をよぎる。
「いいや、誓ってそれは無い。
間違い無く、『ここ』に誰かが『居る』」
周囲を用心深く見回しながら、ギコが呟く。
「そうは言っても、誰も居ないじゃ―――」
「危ねえ!」
いきなり、ギコが僕を突き飛ばした。
直後、「ぐうッ」というギコのくぐもった声が聞こえてくる。
「…!
何をすんだ―――」
文句を言おうとした僕は、そこで言葉を止めた。
ギコの右腕の服が、鋭利な刃物で切り裂かれたように破れ、
そこから鮮血が滴っているのを見たからだ。
「―――ッ!」
僕は息を飲む。
これは!?
攻撃されたのか!?
いつ!?
どこから!?
どうやって!?
相手は!?
「くッ…!」
慌てて周りをぐるっと見回すも、そこには誰も居ない。
馬鹿な。
ギコは確かに、誰かが居ると言っていた筈だ。
ならば何故そいつの姿が見えない。
それとも、僕達は今まさに透明人間と相対しているとでもいうのか!?
「…はッ」
ギコが不愉快そうに笑った。
「どうも面白くねえ展開になっちまったようだなあ」
ゆっくりと、ギコが刀を鞘から引き抜く。
その刀身は炎のように朱く、
まるで血を吸ったかのように紅く―――
吸い込まれそうな程赤い、
刀だった。
「いいさ、どっからでもかかって来い。
最初の一撃だけは、サービスで受けてやるよ。
だがな―――」
ギコが、どこにいるかも分からない敵に対して刀を構える。
「その一撃で俺を殺せなきゃ、屍(かばね)を晒すのはてめえの方だぜ…!」
〜続く〜
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