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念を使わせてみよう小説スレッド

1981:2005/01/02(日) 00:08
 〜三十五話〜

「だーかーらー!
 ナース服の方が萌えるに決まってるだろうがゴルァ!」
「いいやこれだけは譲れないね。
 巫女服こそ至上の萌えコスチュームだ」
 静岡に向かう新幹線の中で、僕とギコは熱い討論を交わしていた。
 議題は『巫女服とナース服どっちが萌えるのか』。
 ミコミコナースの歌の話題に端を発したこの議論は、既に30分目を迎えようとしている。
「いいか!?
 ナース服の看護婦さんの別名は『白衣の天使』だ。
 そして天使と言ったら神様。
 つまり、ナース服は唯一神ヤハウェの恩恵を受けた究極の萌えコスなんだよ!」
「何が唯一神だ、この伴天連かぶれの売国奴め。
 日本男児でありながら、毛唐のランチキ衣装にうつつを抜かすなど恥ずかしくないのか。
 そっちが唯一神なら、こっちは八百万の神霊だ」
 お互いに一歩も譲らない僕とギコ。
「あの、お客様…
 申し訳ありませんが、他のご乗客の迷惑になりますので…」
 見かねた車掌さんが僕達の間に割り込んで来る。
「す、すみません…」
「悪かったな、ゴルァ…」
 第一回僕VSギコチキチキ討論バトル、水入りによって引き分け。



「しかし、本当に運が良かったな」
 袋からカロリーメイトを取り出して齧るギコ。
 この馬鹿が鬼のようにカロリーメイトばっか購入しやがったので、
 袋の中にはまだカロリーメイトがぎっしり詰められている。
 絶対後で金払わせてやる。
 絶対後で金払わせてやる。
「運?」
「すぐに目的地が見つかった事だよ。
 もしかしたら、今んとこ俺らが一位なんじゃねえの?」
 ギコが一箱目のカロリーメイトを食べ終え、次の箱に手を伸ばす。
「ふうん、運が良い、ねえ」
「何だよその奥歯に物が挟まったような物言いは」
 憮然とした表情で、ギコが僕に言う。
「いや、別に。
 ただ、あれを単なるラッキーと受け取る程、
 僕は楽観的な人生を送ってないんでね」
 たまたま僕が訊ねた人が、たまたま写真の風景を知っている。
 それは決して可能性が0な訳ではないけれど、
 決してあり得るような事ではない。
 それこそ何万分の、何億分の途方も無い確率の低さだ。
 にも関わらず、僕はあの男性から写真の場所を聞き出す事が出来た。
 これはもう、幸運を通り越して不自然だ。
 ではあの毒男という男性は、僕を陥れる為のスパイか何かだったのだろうか?
 いや、多分そうじゃない。
 僕は無造作に無作為にあの男性を選んだ。
 誰かに操作されたとは思えない。
 それに、僕達があの図書館に行ったのだってたまたまだ。
 だから、あの男性とは間違い無く偶然の産物として接触したのだ。
 偶然。
 単なる、偶然。
 つまりは偶然が、僕を後ろから押しているのだろうか?
 あの場所に僕が辿り着くように、運命が偶然という手段を介して仕向けているのだろうか?
 運命―――
 もしこれが運命だというのならば、
 きっととんでもない事が、起きるのかもしれない。
 何だ、このざわざわする、落ち着かない感じは。
 何かがおかしい。
 何かが噛み合っていない。
 何かがずれてしまっている。
 不安だ。
 不快だ。
 恐い。
 怖い。
 苛々する。
 そしてその原因が全く掴めない。
 全く理解出来ない。
 全く感知出来ない。
 待て。
 この感じ、どこかで覚えがある。
 そう、これは、狐さんと、始めて遭った時のような…


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