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念を使わせてみよう小説スレッド

1911:2004/12/30(木) 03:44

「499!500…!」
 …やった。
 500回、達成出来たのだ。
 やったぞ!
「うおおおおおおおおおお!」
 最後の跳躍の直後、歓喜の声と共に全員が肩を組んで喜び合う。
 共に一つの事を成し遂げた友情すら、そこには生まれていたのかもしれない。
「やあ、お疲れ様。
 見事だったよ、君達」
 青年が、僕とギコの方に歩み寄って手を差し伸べてきた。
「いえ、そんな僕達は…」
 照れながら、僕は手を握り返す。
「でもあんた、俺とこいつと息がぴったりって、よく分かったな」
 ギコが青年に訊ねた。
「はは、そんなの一目見れば分かるよ。
 君達は、本当にそっくりだからね」
 青年が笑う。
 そっくり。
 鏡像。
 代用品。
 贋作。
 模造品。
 偽物。
 凡そ本物には到達し得ない虚偽。
「で、君達は兄弟か何かなのかな?」
 今度は青年僕達に訊ねた。
「いいえ、僕達は…」
「まるっきりの赤の他人だよ。
 出会ったのだって今日が初めてだ」
 僕の言葉を遮ってギコが答えた。
「ふうむ、それはまたなんとも…」
 考え込む青年。
 疑問に思うのも無理からぬ事だろうけど。
「…まあ、そういった偶然も世の中にはある、という事なのかもしれないね。
 ああそうだ、自己紹介が遅れていた。
 僕は山崎渉(やまざき わたる)という」
「僕は、宝擬古です」
「俺は擬古だ」
 やっぱり苗字を名乗らないギコ。
 そんなに格好悪い苗字か何かなのだろうか。
「二人とも擬古という名前なのか。
 これは益々奇妙な偶然だな。
 兎も角、次の試験もお互いに頑張ろう」
 もう一度手を差し出す山崎渉さん。
 僕と擬古は握手をし、軽く会釈した。


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