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念を使わせてみよう小説スレッド
19
:
1
:2004/11/13(土) 01:35
「? 少年、電話なんか取り出してどうするつもりなんだい?」
「警察に連絡します。 銀行強盗の犯人がここに居ると」
ああ、この人は本当に何て人なんだ。
昨日の殺人に飽き足らず、銀行強盗にまで手を染めるなんて。
今朝のニュースで見た銀行強盗事件の犯人がまさか目の前にいるとは、
灯台下暗し、事実は小説より奇なりだ。
「失礼な奴だな、君は。
俺が銀行強盗をするような奴にみえるのか?」
見えます。
果てしなく究極的に。
「じゃあ、その僕には到底お目にかかれないような札束は何なんです!?」
僕は声を荒げた。
「あー、これはまあ色々、色々さ。
多分君は知らない方がいい」
眼をそらしてお茶を濁す狐さん。
よく見ると、その眼は笑っていない。
「…分かりました。 詮索しても無駄なようですし、もう聞きません」
影で暗殺でもしてんじゃないだろうな、この人。
それか実はどこかの国のスパイとか。
「いい子だ、少年。
まあ話すべき時がくればそのうち話すよ。
今の所、俺は君に嫌われたくないんでね」
悪戯っぽく狐さんが笑う。
…可愛い。
一瞬、僕はその笑顔に引き込まれそうになり、慌ててぶんぶんと首を振った。
「お、どうした? 顔が赤いぞ、少年。
お姉さんの魅力にドッキュンバッキュンかな?」
「うるせえ」
図星を突かれてしまった… って、今日はこんなストロベリートークしにここまで来たんじゃないぞ!?
「てか狐さん、早く本題に入って下さい。
僕も遅くなる前に帰りたいんで」
「まー待てって。 飯を奢ると言っただろう?
取り敢えず何か注文しようぜ」
狐さんがウエイトレスを呼ぶ。
出所不明の金でご馳走になるのは気がかりだが、折角なので奢ってもらう事にした。
家には、「今日は晩御飯いらないから」と連絡を入れておく。
「それじゃ俺は、カレーライスにペペロンチーニにサンドイッチに…」
目に付いたメニューを片っ端から注文する狐さん。
おいおい、まさか全部食うつもりなのか!?
いや、この人ならそれくらい充分にありえる。
「…んじゃ、飯が来るのを待ってる間に本題に移るとしようか」
ようやく本題に入るようだ。
狐さんが真面目な顔で僕の顔を見据える。
「昨日のあれ、確かに見えたんだな」
「…はい」
あれとはおそらく蟲の事だ。
もしかしたら、狐さんに纏わりついていたもやの事かもしれないが。
でも、多分どちらでも正解だろう。
「そうか。 それなら大丈夫だな」
と、狐さんがポンと僕の肩に右手を置いた。
次の瞬間、狐さんの右手に昨日と同じもやが出て―――
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