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念を使わせてみよう小説スレッド

191:2004/11/13(土) 01:35

「? 少年、電話なんか取り出してどうするつもりなんだい?」
「警察に連絡します。 銀行強盗の犯人がここに居ると」
 ああ、この人は本当に何て人なんだ。
 昨日の殺人に飽き足らず、銀行強盗にまで手を染めるなんて。
 今朝のニュースで見た銀行強盗事件の犯人がまさか目の前にいるとは、
 灯台下暗し、事実は小説より奇なりだ。
「失礼な奴だな、君は。
 俺が銀行強盗をするような奴にみえるのか?」
 見えます。
 果てしなく究極的に。
「じゃあ、その僕には到底お目にかかれないような札束は何なんです!?」
 僕は声を荒げた。
「あー、これはまあ色々、色々さ。
 多分君は知らない方がいい」
 眼をそらしてお茶を濁す狐さん。
 よく見ると、その眼は笑っていない。
「…分かりました。 詮索しても無駄なようですし、もう聞きません」
 影で暗殺でもしてんじゃないだろうな、この人。
 それか実はどこかの国のスパイとか。
「いい子だ、少年。
 まあ話すべき時がくればそのうち話すよ。
 今の所、俺は君に嫌われたくないんでね」
 悪戯っぽく狐さんが笑う。
 …可愛い。
 一瞬、僕はその笑顔に引き込まれそうになり、慌ててぶんぶんと首を振った。
「お、どうした? 顔が赤いぞ、少年。
 お姉さんの魅力にドッキュンバッキュンかな?」
「うるせえ」
 図星を突かれてしまった… って、今日はこんなストロベリートークしにここまで来たんじゃないぞ!?

「てか狐さん、早く本題に入って下さい。
 僕も遅くなる前に帰りたいんで」
「まー待てって。 飯を奢ると言っただろう?
 取り敢えず何か注文しようぜ」
 狐さんがウエイトレスを呼ぶ。
 出所不明の金でご馳走になるのは気がかりだが、折角なので奢ってもらう事にした。
 家には、「今日は晩御飯いらないから」と連絡を入れておく。
「それじゃ俺は、カレーライスにペペロンチーニにサンドイッチに…」
 目に付いたメニューを片っ端から注文する狐さん。
 おいおい、まさか全部食うつもりなのか!?
 いや、この人ならそれくらい充分にありえる。

「…んじゃ、飯が来るのを待ってる間に本題に移るとしようか」
 ようやく本題に入るようだ。
 狐さんが真面目な顔で僕の顔を見据える。
「昨日のあれ、確かに見えたんだな」
「…はい」
 あれとはおそらく蟲の事だ。
 もしかしたら、狐さんに纏わりついていたもやの事かもしれないが。
 でも、多分どちらでも正解だろう。
「そうか。 それなら大丈夫だな」
 と、狐さんがポンと僕の肩に右手を置いた。
 次の瞬間、狐さんの右手に昨日と同じもやが出て―――


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