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念を使わせてみよう小説スレッド

1821:2004/12/22(水) 01:04

「――――――!」
 僕は目の前の光景を目にして呆然と立ち尽くした。
 人、人、人。
 見渡す限り人だらけ。
 ざっと見ただけで、1000人以上はいる。
 まさか、ここにいる全員がハンター試験の受験者なのか!?
「…こりゃまた、手厚いご歓迎で」
 ギコが嘆息する。
 僕とギコには、周囲からの視線が一斉に集まっていた。
 僕達を品定めするような眼。
 嘲るような眼。
 見下すような眼。
 およそ友好的な関係は築けそうにない。

「みっなさ〜〜〜〜〜ん!
 ようこそ第64回、ハンター資格試験in日本においで下さいました〜〜〜〜!!」
 突然、あまりにも場違い過ぎる陽気な声が、
 マイクのエコーつきで会場に響き渡った。
 驚いて声のした方を見てみると、そこにはツインテールの似合う若い女がマイクを持って立っていた。
 さっきのは、あいつか。
「え〜〜〜、テステス、テステステス、
 只今マイクのテスト中」
 マイクのテストは最初にやれよ。
「コホン…
 あ〜〜〜皆様初めまして。
 私、柊華折(ひいらぎ かおり)、かおりんと申します。
 かおりん祭りと呼んで下さ〜〜〜!
 新スレおめでとうございま〜す!」
 新スレって何ですか。
 新スレって。
「まあ、私なんかの自己紹介を聞く為にこんな辺鄙な場所に来た訳じゃないですよね。
 それでは早速、一次試験の内容を発表させていただきま〜〜〜す!
 オウイエ〜〜〜〜!」
 すげえ。
 天井知らずのハイテンション。
 あの人頭が100℃を超えて沸騰してんじゃねえのか。
「俺、いくら胸が大きくてもああいうタイプはパスだわ…」
 ギコが絶句する。
「奇遇だね。
 僕も同意見だよ…」
 珍しい事もあるものだ。
 まさかこいつと、女性の好みが一致するとは。
 奇跡はやっぱり起こるものだったんだ。
 奇跡は起こらないから奇跡とは誰の言葉だったか。
「第一次試験、その内容は〜〜〜!」
 デレデレデレデレデレデレと自分の口でドラムロールを演出するかおりん。
 どうでもいいからさっさと教えろ、この気違い(放送禁止用語)。
「ババン。
 何と、腕相撲で〜〜〜〜〜〜す!
 ルールは単純、誰とでもいいから腕相撲で勝負。
 勝ったら残り、負ければ退場。
 それだけで〜〜〜〜〜〜す!!」
 腕相撲?
 そんな簡単な試験でいいのか?
「…成る程ね」
 一人納得したように呟くギコ。
「つまりは、手っ取り早く人数を半分に減らそうって魂胆か。
 それとも、ここで落ちるような奴に端から用は無いって事かもな」
 そうか。
 この試験内容なら、少なくとも一気に人数が2分の1まで削られる。
「そんじゃ、俺は適当に相手を探してくるぜ。
 いきなりお前と対決するのもアレだからな」
 そう言って、ギコはさっさとどこかに行ってしまった。
 いや、僕をこんな所で一人にしないでくれ…

「おい、そこの兄ちゃん」
 いきなり、浅黒マッチョ男が僕に声をかけてきた。
 マッチョ。
 主食はプロテインです、って真顔で答えそうなくらいマッチョ。
 筋肉に話しかけてそうな程マッチョ。
 有り体に言えば黒い中山きんに君。
 キンニクマンゼブラ…って、今の若人には分からない人もいるかな。
「お前の相手はこの俺だ」
 …狐さん。
 どうやら僕、いきなり失格のピンチみたいです。


                      〜続く〜


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