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念を使わせてみよう小説スレッド
181
:
1
:2004/12/22(水) 01:04
「でもな、殺した後にはきっちり後悔するんだ。
何で俺まだ生きてるんだろーなー、って。
何で死なないのかなー、って。
そう考えてしまうんだ。
それでも俺はこれからも殺し続けるだろう。
死ぬまでずっと、殺し続けるだろう。
そして…」
ギコが、僕の目を正面から見据えた。
「多分お前も、同じ道を歩む。
お前が正しく、俺の複製品としての運命の元生まれてきたというならな。
俺と同じで、偽物の運命を辿る筈だ」
きっぱりと、ギコは言い切った。
何の疑いも無く。
何の迷いも無く。
「…まるで、自分の事のように言うんだな」
僕は言った。
何て、戯言。
「自分の事、だろ?」
シニカルにギコは笑う。
全くその通りだ。
こいつの事は、一から十まで僕自身の事だった。
「俺はね、漠然とながら感じているんだよ。
お前が俺の真似をするという運命を感じたように、俺自身の運命も。
俺は、ある定められた誰かを殺す為に生まれてきた。
それが誰なのかは、分からない。
でも、確信できるんだ。
世界は俺に、そいつを殺させる為に俺を創り出した、と。
だから殺す。
それが分かるまで、殺し続ける。
そしてお前はそんな俺の代用品だ。
だから殺す。
お前は殺し続ける。
それが自分で手を下すかどうかは別として、お前は殺し続ける。
死ぬぞ。
もっと死ぬぞ。
俺やお前の周りでは、人がどんどん死んでいくぞ。
俺もお前も、そういう運命の下に生まれて来たんだ。
望むに望まぬに関わらず、死と殺しは常に俺達の傍に在る」
何だ。
何なんだこいつは。
いや、こいつが、こいつこそが、そうだというのか。
こんな歪な化物が、僕の原型だというのか。
『誰か』を殺す為―――
それは一体、誰だっていうんだよ。
「…僕以外で、君に良く似た人間を一人、知っている」
僕の意思とは無関係に、僕の口が勝手にその言葉を紡いだ。
「へえ?
お前以外にも、俺のそっくりさんはいたんだ」
「…似ている、と言っても、僕のとは性質が違うけどね。
僕は君と魂の形が似ているとするならば、
その人は、魂の向いている向きが似ている」
ギコはまるで、
そう、ギコはまるで―――
―――狐さんと、同じような。
「はん、どこのどいつかは知らねえが、そりゃけったいな奴とお知り合いだな。
差し出がましいだろうが、そんな奴とは縁を切るのをお勧めするぜ。
でなきゃ、そいつはいつかお前を殺しにくるだろうからよ」
ギコは「くっく」と含み笑いを漏らした。
ギコの言う通りだ。
実際、僕は狐さんに殺されかかっている。
「ま、お前がそいつを、殺すかもしれねーけどな」
ギコは付け加えた。
だがしかし、その可能性は絶無と言って差し支えないだろう。
あんな人を殺すなど、核ミサイルでも使わなければ不可能だ。
「……!」
と、ようやくエレベーターが動きを止めた。
「いよいよって訳だな…」
ギコが低い声で呟く。
そして、エレベーターのドアがゆっくりと開いていき―――
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