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念を使わせてみよう小説スレッド

1791:2004/12/22(水) 01:03
 〜三十一話〜

 静かに音を立てながら、エレベーターはゆっくりと下に移動していった。
 しかし移動を始めてからかれこれ5分が経とうというのに、
 エレベーターは止まる気配を見せない。
 まさか、このまま地球の裏側まで行くんじゃねえだろうな。
「……」
 ふとギコの横顔を見ると、何やら暗い顔をしていた。
「どうした、気分でも悪いのか?」
 僕はギコにそう言った。
「…いや、何でもねえ。
 ただ、地下にはいい思い出が無くってな」
 地下にいい思い出が無いって、生き埋めにでもされた経験があるのか?
「そう。
 ならいいけど…」
 これ以上深く探るのも失礼なので、僕はそこでその質問を止めた。
 誰にだって一つや二つくらい、言いたくない過去はあるだろうから。
「そういえばさ」
 僕は質問を変える事にした。
「その竹刀袋の中って、何が入ってるんだ?」
 始めてギコにあった時から、気になっていた事だった。
 まさか、本当に竹刀が入っているだけな訳ではあるまい。
「ん、ああ。
 今見せてやるよ」
 ギコが竹刀袋の入れ口を開ける。
 その中から出てきたのは、一本の日本刀だった。
「これは物心つく前から常に、俺の傍らにあった刀だ。
 言ってみりゃあ俺の腕の延長みたいなものさ」
 自慢げに日本刀を見せびらかすギコ。
「…さいですか。
 で、君はそんな物騒なものを常に携帯してるのか?」
「おうよ」
 銃刀法違反で捕まれ、この通り魔。
「そんなもの持ち歩いて何するつもりなんだよ…」
「殺す」
 ギコは即座に返答した。
 刀を何に使うか。
 そんなの、決まっている。
 殺す為だ。
 一切合切、殺す為に他ならない。


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