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念を使わせてみよう小説スレッド

1781:2004/12/21(火) 01:59

「……!」
 外法狐の表情が強張る。
 8頭身の表情もまた、外法狐と同じく固いものであった。
「…そいつあ大事だな。
 よりによって『妖滅』かよ」
 外法狐が呟くように言った。
「そう。
 だから仕事にならないって言ったんだよ。
 あんな奴らの仕事を横取りするなんて、割りに合わなさ過ぎる」
「だな」
 外法狐は軽く横に頭を振る。
「しゃあねえ、地道に他の仕事探すとするか」
 外法狐は残念そうに溜息をつきながら立ち上がった。
 用件が済んで、帰る事にしたらしい。

「あ、そうだ」
 外法狐が思い出したように言った。
「八、そういやお前、あの坊主今何やってるんだ?」
「ああ、あいつか。
 悪いけど分からないな。
 またいつものように、ふらっとどっか出て行ってそれっきりさ」
 8頭身が外法狐にそう返す。
「そうか。
 いや、久し振りに顔でも見てやろうと思ったんだけどな」
「向こうは迷惑だろうけどな。
 この前といい、もう少しあいつに優しくしてやったらどうなんだい?」
「だってあいつ、『ツルペタ年増女なんか眼中にねえ』とか言うんだぜ?
 そりゃ俺だって相応の態度を取らせてもらうさ」
「…君の場合、手加減したつもりでも洒落にならないんだよ。
 ま、見かけたらまた教えるさ」
「ああ、頼むよ」
 そういい残し、外法狐は8頭身の家を後にした。



          @        @        @



「へえっきし!」
 ギコがいきなりくしゃみをした。
 てかこっち向いてくしゃみなんかすんな。
 服にかかったじゃないか。
「うー…
 どっかで巨乳ロリ少女が俺の事噂してるな」
「それは無い」
 断言出来る。
 それは絶対に違う。
「夢の無い事いうなよ〜」
「それは夢だったのか!?」
 陳腐な夢だ。
 どうせなら年上貧乳お姉さんが噂してるとか、そういう大きな夢を持つべきだろう。
「ま、いいじゃん。 それより急ごうぜ。 もうあんまり時間が無い」
「だね」
 残り10分。
 急がねば、間に合わない。
「すみません、あの」
 僕は公民館の受付の人に声をかけた。
「はい、何でしょう」
 そばかす顔の受付嬢さんが、僕に訊ね返す。
「関東裸会の催しはどこですか?」
 狐さんのメモ通り、僕はそう言った。
「かしこまりました。
 こちらになります」
 受付嬢さんが立ち上がり、僕達を案内する。
 通路を進んで行き、僕達が辿り着いたのは…
「こちらでございます」
 受付嬢さんが一礼して僕達に手で指し示す。
 でも、そこにあるのは何の変哲も無いただの壁だった。
「あの、これってただの壁…」
 僕がそう言おうとした瞬間、重い音と共に壁の一部が動き出した。
 程無くして、壁のあった部分がエレベーターへの入り口へと姿を変える。
「隠し扉、か」
 ギコが嘆息する。
 まさか、公民館にこんな隠し機能がついていたとは。
 ひょっとしたら合体ロボとかも隠されてるんじゃねえだろうな?
「ご検討をお祈りしております」
 受付嬢さんが深く頭を下げる。
「あ、ども」
 釣られて、僕も会釈を返した。
「んじゃまあ、行こうぜ」
 ギコが急かすように僕にそう告げる。
「うん」
 僕とギコは、並んで隠しエレベーターの中へと入り込む。
「鬼が出るか邪が出るか…」
 エレベーターの入り口が閉まるのを見ながら、僕は小さくそう呟いた。


                      〜続く〜


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