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念を使わせてみよう小説スレッド

171:2004/11/13(土) 01:34

「あの、タカラギコ君、一つ聞いていい?」
 女子が僕に訊ねる。
 思い出した。確か、この子は僕のクラスメイトだった。
 名前は…そうそう、山吹萌奈香(やまぶきもなか)だ。
 で、僕に何を聞きたいだって?
「はあ、別にいいですけど」
 一応内容だけは聞いてみる事にした。
 しかし、分からない。
 僕とモナカさんは全くと言っていい程交流なんて無かった筈だ。
 せいぜい、二言三言他愛も無い会話を交わしただけだろう。
 それなのに、わざわざ美術室に来てまで僕に聞きたい事って何だ?

「えっと… その…
 昨日、タカラギコ君が凄く綺麗な和服の女の人とゲームセンターで一緒に遊んでた、
 って噂を聞いたんだけど、それって本当なの…?」
 うげげ。
 よもやとは思っていたが、うちの学校の生徒に目撃されていたのか。
 そういや今日クラスの連中がいやにジロジロ僕を見ていたと思っていたが、それが原因か。
 そうと分かればモナカさんがここに来た理由も納得がいく。
 女の子は噂が好きだからな。直接僕に事の真偽を確かめに来た訳だ。
「あー… 一応本当ですけど、あれは何と言うか…」
 困ったな。どうモナカさんに説明したものか。
「…もしかして、恋人?」
「いえ、違います。 神に誓って仏に誓って絶対完全違います」
 この子はよりによって何という事を言うのか。
 僕と狐さんが恋人?
 そりゃ外見だけなら狐さんは恋人として完璧だろうが、肝心の中身が破滅的だ。
 あらぬ噂が流れぬよう、ここで完璧に否定しておかねば。
「本当に?」
「本当です」
 僕はきっぱりと言い切った。
 人生に余計な波風を立てない為にも、誤解を生むのだけは避けなければならない。
「…信じていいんだね」
 疑り深い人だな、この子は。
 最初から違うって言ってるじゃないか。
「ええ、嘘はいいません」
 僕がそう答えると、モナカさんの顔が心なしか明るくなる。
「そっか、そうだよね。
 ごめんね、変な事聞いて」
 モナカさんは何故か嬉しそうににっこり微笑んだ。
 ?
 どうして彼女が嬉しがるんだ?
 僕、何か彼女が喜ぶ事でも言っただろうか。
「ごめんね、邪魔しちゃって。 絵、頑張ってね」
 モナカさんが恥ずかしそうに美術室から出て行く。
 結局、彼女は何をしに来たのだろう。
 いくら考えても、僕にはその答えが分からなかった。


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