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念を使わせてみよう小説スレッド
166
:
1
:2004/12/10(金) 00:41
「それでは早速、お部屋の方にご案内させて頂きます…」
ノーネ女将さんは僕達を引き連れて旅館の中を案内した。
内装は…意外と普通だ。
何だ、これなら案外普通に温泉旅行を楽しめるかもしれな…
「……!」
しかし、僕のその考えは目の前の存在によって無残にも打ち砕かれた。
スペシウム光線でも跳ね返しそうな金属製の扉。
それが、廊下にずらりと並んでいる。
「あの、女将さん…」
僕は卒倒しそうになるのを堪えつつ、訊ねた。
「まさか、このとてつもなく無意味に頑丈そうな扉の奥に、客室があると?」
「左様でございます。
ちなみにこの扉は特殊な鍵を使わねば決して開けられず、
いかなる方法を持ってしても壊す事は出来ません。
また壁の内側にもこの扉と同じ金属を仕込んでいる為、壁を壊して侵入するのも不可能です」
そうですか。
つまり密室殺人がここで起こるという訳ですね。
気の滅入る解説ご苦労様。
「ふむ、凄いなこれは。
多分俺でもこの扉は壊せない」
狐さんでも壊せないって…
超合金か何かで出来てるのかよ、この扉は。
「こちらがお客様の部屋の鍵になります。
では、どうぞごゆっくり…」
僕に鍵を渡して、ノーネ女将さんはその場を去って行った。
「よし、それじゃあ部屋の中に入ってくつろごうぜ」
くつろげねえよ、こんな物騒な扉で守られた部屋。
「…中は普通なんですね」
意外にも、部屋の内装は普通の旅館と変わらなかった。
テレビにテーブル、それから冷蔵庫にポット。
普通過ぎて、逆に恐い。
「お、すげえ。
PAYビデオがついてる」
狐さんがテレビの横の硬貨入れを見て言った。
PAYビデオ。
そんな物までついているのか。
説明するまでも無いだろうが、
PAYビデオとはお金を入れればエロビデオが見れるというあれである。
まさかこんな所でそういった前時代の遺物にお目にかかるとは。
「少年。
見たいなら俺に遠慮しなくていいぞ?」
「うるせえ黙れ」
いや、僕だって男だから興味が無いと言えば嘘になるが、
流石に女性がいるのにAVを見る程神経は図太くない。
「それじゃ、取り敢えず温泉に浸かりに行こうか。
折角温泉旅館に来たんだから、温泉に入らない馬鹿は居ないだろ」
狐さんが洗面具を風呂敷から取り出し、温泉に行く準備をする。
温泉。
いよいよお待ちかねという事か。
そう、僕だって何の考えも無く、こんな胡散臭いツアーに参加した訳じゃない。
温泉。
温泉と言えば混浴。
混浴と言えば裸!
そう、僕がここまで来た最大の目的は、狐さんの裸体を拝む為と言っても過言では無い!
「…何だよ、さっきからニヤニヤと笑って。 気持ち悪いなあ」
狐さんが怪訝な視線を向けるが気にしない。
こうして僕は、邪な欲望と共に温泉へと向かうのであった。
〜続く〜
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