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念を使わせてみよう小説スレッド

1581:2004/12/08(水) 23:45

「……」
 そして、狐さんはそっと僕の首から手を放した。
 まだ、僕は生きている。
 殺されては、いない。
「…これで、分かっただろう?
 俺なんか好きになったって、ろくな事なんてない。
 若気のいたりと思って、さっさと忘れちまいな」
 狐さんが馬乗りの体勢からゆっくりと体を離し、微笑む。
 …この微笑みは偽物だ。
 本当は泣きたい筈なのに、無理矢理笑顔を作ってる。
 僕にはそれがよく分かる。
 僕も、同じ偽物だから。
「…お断り、ですね」
 僕のその言葉に、狐さんは目を大きく見開いた。
 こんな脅しなんかで、僕の気持ちがどうこう出来ると思っていたのか。
 僕はもう、笑ってしまうくらいに狐さんの事が好きになっているというのに。
「馬鹿を言うな!
 俺は、君を殺すと言っているんだぞ!」
「それがどうかしましたか?
 その程度の恫喝で、僕が引き下がるとでも?
 見損なわないで下さい。
 僕は、あなたの為なら命を懸けれる」
 本心からの、言葉だった。
「君は、死にたいのか!?」
「いいえ、死ぬつもりなんてこれっぽっちもありません。
 あなたは何か勘違いをしているようだ。
 『命を懸ける』という事は、死を覚悟する事じゃない。
 生きる事を恐れず、死と正面きって戦う事だ。
 僕は好きな子には嫌がらせをして気を引くタイプですからね。
 あなたが僕を殺したいというなら、僕は絶対に殺されてなんかやらない」
 本当は、僕が生きるなどおこがましい事なのかもしれない。
 色んな人を巻き込んで殺してしまった僕には、生きる資格など無いのかもしれない。
 だが、これだけは、どうしても狐さんに伝えたかった。
「僕は死なない。
 だから、あなたに僕は殺せない…!」
 その時、すっと狐さんの体が動いた。
 何をするのか、と考えていると―――


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