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念を使わせてみよう小説スレッド

1541:2004/12/08(水) 23:44
 〜二十七話〜

 ハッピーエンドであれ、バッドエンドであれ、
 漫画やゲームの物語ならば、ストーリーが終わればそこで舞台は終了となる。
 この後主人公達がどうなるかはあなた方の心の中で決まるのですめでたしめでたし、
 とかそんな感じで、きれいさっぱり喜劇にも悲劇にも幕が下ろされるのだろう。
 だけど、現実はそんなふうにはいかない。
 一定の目標が成功であれ失敗であれ達成されたところで、それは“続き”でしかない。
 そこには須らく後始末が必要となる。
 ゲームは続く。
 死ぬ以外にゲームを放棄する手段は無い。
 いや、ひょっとしたら死んでもゲームは続くのかもしれない。
 兎に角僕は、『冥界の支配者』を殺した後もこの現実で生きていかねばならなかった。
 日常と、折り合いをつけていかねばならなかった。

 色々考えた末、僕は実家を引き払って一人暮らしをする事にした。
 一応親戚からうちに来ないかとも言われたが、
 一人食い扶持が増えるのは迷惑だろうし、
 家族が皆殺しになって一人だけ生き残った僕を引き取るのも、
 あまりいい気はしないだろうと思ったので丁重に断った。
 遺産相続の権利だの何だので親戚の間では一悶着あったそうだが、それは僕には関係無い事だ。
 暫くの間生活するには困らない程度の分け前には預かれたので、それ以上を望むべくもない。
 あとは弁護士さんとかが上手くやってくれるだろう。
 『冥界の支配者』を僕が殺した件については、狐さんが隠蔽工作をお願いしておいたらしい。
 狐さん曰く、「現行犯逮捕でない限りあらゆる犯罪を揉み消せる専門機関」だそうだ。
 僕としては警察のご厄介になる覚悟だったし、それも吝かではなかったのだが、
 折角なので狐さんの好意に甘える事にしておいた。
 通っていた学校には何となく行きづらかったので、転校届けをお願いしておいた。
 家も変わり、学校も変わり、気分一新という訳にはいかないが、
 このままあの家や学校に留まるよりは、ひっそりと去るのが賢い選択だろう。
 同情や哀れみの目で見られ続けるのは、好きじゃない。

「うひゃー、すごい所に住むんだなあ、君は」
 新しく僕が住む事になったボロアパートを見て、狐さんが嘆息する。
 引越し業者を頼むのは金がかかるので、力仕事が得意分野の狐さんにお手伝いして貰おうとここに呼んだのだった。
 …実は、もう一つの目的というか、聞きたい事もあるのだが、それは後でいいだろう。


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