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念を使わせてみよう小説スレッド

1471:2004/12/07(火) 02:39

「…『冥界の支配者』はどこに居る」
 外法狐は訊ねた。
 そうと分かった以上、こんな所でぐずぐずしてはいられない。
 早くあの少年を助けにいかねば、殺されてしまう。
「ココダヨ」
 アヒャは『冥界の支配者』の居る住所を書いた紙切れを外法狐に投げて寄越した。
「…用意がいいんだな」
 もしかしたら、アヒャは自分が裏切り者であるとバレている事など、分かっていたのかもしれない。
 だとすれば、何故こんな所にノコノコとやって来た。
 来れば、自分に殺される事は明白なのに。
 そこで、外法狐は考えるのをやめた。
 多分、これは自分がいくら考えたところで、アヒャ本人以外に分かる問題ではない。
 自分に出来る事はただ一つ。
 目の前の、人間を、殺す事。
 殺すという概念に生き、殺すという概念で死ぬ。
 殺すという概念で活かし、殺すという概念で殺す。
 己を殺せ。
 他人を殺せ。
 有象を殺せ。
 無象を殺せ。
 殺す為のみ存在し、それ故他に意味は無し。
 殺す以外の意味は無く、それ故存在に意義は無し。
 存在に何らの意義は無く、それ故殺しに意味は無い。
 だから『外法』。
 だからこその『外法』。
 自分には、殺す事しか考えられない。
 殺す事でしか世界に関われない。
 きっと、自分は人吊詩絵莉を殺したかったのだろう。
 いつか殺してしまうかもしれなかったのだろう。
 それでも、自分は、あいつの事が好きだった。
 あいつといつまでも一緒でいたいと、願っていたんだ…!

「…んじゃ、そろそろ始めるか」
 外法狐は腕をダラリと下げ、アヒャを見据えた。
 アヒャは両手に『剣の舞』を構え、外法狐に相対する。
「…ヒトツ、オネガイガアル」
「…何だ?」
「アイツハ… フーンハミノガシテヤッテクレ。
 アイツハオレノコロシトハ、ナンノカンケイモナイ」
 倒れたフーンを悲しそうに見つめながら、アヒャは静かにそう告げた。
「…分かった」
 それ以上、外法狐は何も言わなかった。
 アヒャも、何も言わなかった。
 互いの視線が、月夜の下交錯し―――



 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 ―――外法狐の腕が、アヒャの心臓を貫いた。


                 〜続く〜


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