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念を使わせてみよう小説スレッド

1461:2004/12/07(火) 02:39

「待て!
 いくらなんでも、そんなの強引過ぎる!
 こいつが、そんな事するわけ―――」
 外法狐に詰め寄ろうとしたフーンが、突然ガックリと膝をついた。
「え―――?」
 フーンの腹部に、鋭い刃物が突き刺さっていた。
 フーンはその刃物の形状に、よく見覚えがある。
 『剣の舞(ダンスマカブル)』。
 アヒャの、念能力。
「ワルイナ、フーン」
 アヒャがフーンの腹から刃物を抜き、刀身についていた血を払った。
「…やっぱり、そういう事かよ」
 慌てるでもなく、怒るでもなく、外法狐は腕を組んで呟いた。
 否。
 外法狐は、とっくの昔からどうしようも無いくらいに怒っていた。
「アヒャ…どうし、て……
 お前は、誰より念能力犯罪者を… 憎んでいた筈、だ…」
 途切れ途切れに、フーンがアヒャに訊ねる。
 即死ではないようだが、急所を抉られているのは間違い無さそうだった。
 急いで治療をせねば、長くは持たないだろう。
「アア、ソウダ。
 オレノカゾクハネンノウリョクハンザイシャニコロサレタ。
 ソレハウソジャネエ」
 忌々しそうな顔で、アヒャが呟く。
「デモナ… キヅイチマッタンダヨ。
 オレノカゾクノカタキヲコロシタトキ、アノカンカクニ。
 ジブンノノウリョクヲツカッテ、ジャクシャヲイタブリコロスッテイウカイカンニ。
 ナニヨリ…」
 アヒャが邪悪な笑みを浮かべる。
「ジブンダケガフコウヲアジワウナンテ、ガマンデキネエ」
 フーンが愕然とした表情のまま、地面に突っ伏した。
 意識を保つ事すら、困難になったらしい。
 それとも、相棒に裏切られていたというショックが、フーンに考える事を放棄させたのか。
「…同情はしねえし、共感もしねえ。
 お前は、しぇりーを殺した。
 だから、俺はお前を殺す」
 結局、自分には、外法狐には、殺すしか出来ない。
 殺したところで、しぇりーが生き返る訳でもないのに。
 それでも、外法狐には殺すという選択肢しか選べなかった。
「…いつから、『冥界の支配者』と絡んでた?」
「レンゾクリョウキサツジンジケンガオキルマエカラダ。
 チョウドヒトヲコロシテミタクナッテタトキニ『冥界の支配者』ガオレニコエヲカケタ。
 カモフォラージュニチョウドイイトオモッタカラ、オレハワタリニフネトバカリニソノモウシデヲウケタ。
 リガイノイッチッテヤツダナ」
 連続猟奇殺人事件の起きる前から。
 ならばこの事件の計35人の被害者のうち、アヒャが殺したのは何人なのか。
 いや、そんな事など考えるだけ無駄だ。
 直接手を下したかどうかなんて関係無い。
 35人は、『冥界の支配者』とアヒャの手によって殺されたのだ。
「その前からも、人を殺してたのか?」
「アア」
「フーンには内緒で?」
「アア」
「いつかバレると、思わなかったのか?」
「…サアテナ。
 マアコンカイハヤバイトオモッタヨ。 フーンノヤツ、コノジケンヲシラベヨウッテイッテキタカラナ。
 ロコツニイヤガレバ、オレガカンケイシテルノガバレルカモシレナイカラアセッタゼ。
 ホントウハアルテイドシラベタトコロデ、ケッキョクハンニンハミツカラズメイキュウイリニナリマシタ、ッテオチダッタンダガナ。
 ソレガアノボウズトデアッタオカゲデゴハサンサ」
「…あの少年には、今回の事件について何の関係も無い」
「ホントウニソウオモッテルノカ?
 アノコムスメヲオレガコロシタノダッテ、イッテミリャアアノボウズニモセキニンノイッタンガアル。
 オマエダッテ、アノボウズヲニクンデイルンダロウ。
 コロシタイトオモッテルンダロウ」
「…かも、しれないな。
 でも、今はそんな事はどうだっていい。
 最後に質問だ。
 『冥界の支配者』の居場所を教えろ。
 そうすりゃ、少しは痛みを感じないように殺してやる」
 『不死身の肉体(ナインライヴス)』を発動させ、外法狐は言った。
「ソレハアノボウズニキイタホウガハヤインジャナイカ?」
「何…?」
「アノボウズニハトックニ『冥界の支配者』ガダレダカワカッテルハズダゼ。
 ナンダ。 キヅイテナカッタノカ?」
 あの馬鹿野郎は…!
 外法狐は舌打ちした。
 「アヒャから『冥界の支配者』について聞き出すまで留守番している」と言っていた時に、
 妙に余所余所しい態度だったのはその所為か。
 何で、自分に助けを求めなかったのだ。
 何で、一人で決着をつけようなんて早まったのだ。


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