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念を使わせてみよう小説スレッド

1451:2004/12/07(火) 02:38

「アヒャ、スマネエナ。 チョットオクレチマッタ」
 と、遅れてアヒャがその場に駆けつけて来た。
「…やあ、待ってたよ」
 外法狐が寒気がする程の無表情な顔で、アヒャに告げる。
「オイオイ、ドウシタンダヨ。 ナンカコエーゾ?」
 アヒャが場の雰囲気を和ませようと笑う。
 しかし外法狐はピクリとも表情を変えないまま、アヒャを見据えていた。
「…ナンダヨキモチワリイナ」
 アヒャが訝しげに呟く。
「一応、聞いておくぜ」
 外法狐がすっくと立ち上がる。
「…しぇりーを殺したの、お前だろ?」
 外法狐がアヒャに向かって確認するように言う。
「!?
 お前、いきなり何を!?」
 外法狐の言葉に驚いたのは、アヒャ自身ではなくフーンだった。
 アヒャは何も言わないまま、ただ外法狐と顔を向き合わせている。
「…お前だって、本当は気づいてるんだろ?」
 悲しげな声で、外法狐はフーンにそう言った。
「おかしいとは、思ってたんだ。
 ねぐらを転々としてたのに、『冥界の支配者』はあっという間に俺達の居場所を突き止める。
 そりゃあ『冥界の支配者』が俺達が考えている以上の情報網を持っているのかもしれない。
 だが、普通ならこう考えるよな。
 『内通者が俺達の中に紛れている』と」
 外法狐は淡々と口を開いた。
「もう一つ。
 しぇりーは両腕を切り落とされ、胸を貫かれて死んでいた。
 そしてその横に転がってた可哀想な兄ちゃんは、輪切りになっていた。
 『冥界の支配者』の能力で死体を操って殺したと考えると、それはおかしい。
 動く死体なんぞに、ナイフだの刀だのを使う知性があるとは思えないし、
 事実連続猟奇殺人事件の被害者は、例外無く引き千切られたり、叩き潰されて殺されていた。
 ありえないんだよ。
 鋭利な刃物で殺されてるなんてのは。
 だが、ここが盲点だった」
 外法狐がキッとアヒャを睨む。
「ぐちゃぐちゃになって殺されているから、俺達は『冥界の支配者』一人の犯行だと勘違いしてしまっていたんだ。
 だけどそれこそが大きな落とし穴だった。
 逆を言えば、『刃物で殺した』のだとしても、
 『その後死体を無残に叩き潰して刃物で斬った跡を潰してしまえば』、
 『冥界の支配者』の動く死体の仕業と見せかける事が出来る」
 アヒャの顔が強張った。
 外法狐はそれを容疑の肯定と受け取り、更にアヒャが身中の蟲であるとの確信を高める。
「多分しぇりーの時は人が来ちまって、偽装工作が出来なかったんだろうな。
 だから死体をぐちゃぐちゃに潰さないまま立ち去らざるを得なかった。
 そしてそれがしぇりーに決定的なダイイングメッセージを残させる結果となった」
 外法狐がアヒャを指差す。
「しぇりーは口にこうもり傘を咥えて死んでいた。
 これはどういう事か?
 答えはたった一つ。
 こうもり傘→こうもり→裏切り者、だ。
 あいつは最後に、裏切り者が俺達の中に居ると教えてくれたんだ…!」
 自分は何て愚かだったのだろうか。
 外法狐は後悔する。
 もっと早くこの事に気づいていれば、しぇりーは死なずに済んだかもしれないのだ。
 しぇりーを守れたかもしれないのだ。


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