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念を使わせてみよう小説スレッド
139
:
1
:2004/12/05(日) 02:10
「…悪いな、しぇりー。
俺なんかの我侭に無理に付き合わせた挙句、死なせちまって」
何で狐さんが謝るんですか。
悪いのは、全部僕なのに。
「俺はお前を忘れない。
お前という友達がいた事を、忘れない。
…今まで、ありがとう」
狐さんが、ゆっくりとしぇりーちゃんの亡骸を抱え上げた。
「き、貴様!
死体をどうするつもりだ!?」
無事だった警官の一人が、拳銃を抜いて狐さんに銃口を向ける。
「持って帰る。
こいつを、お前らなんかに好きにいじくり回させやしない」
しぇりーちゃんを抱えたまま、狐さんは言い放った。
「行くぞ、少年」
拳銃を向けられているのにも構わず、狐さんはその場を立ち去ろうとした。
「止まれ!
止まらねば撃つぞ!!」
警官が銃を構えたまま叫ぶ。
「好きにしろ」
狐さんは我関せずと進み続けた。
「本当に、撃―――」
そこで、警官は体を硬直させた。
狐さんの顔を、直視してしまったからだ。
今にも泣き出しそうな顔で、しかし触れただけで殺されそうな怒りを瞳に湛えたまま、
狐さんは自分の唇を血が滲む程にまで強く噛み締めていた。
撃てば、殺される。
警官はそう本能的に悟ったのだろう。
そして、それは多分正しい。
もう、狐さんを止めれる存在など、この地球上にいはしない。
「…狐さん」
僕は狐さんの背中に声をかけた。
これで、はっきりした。
これで全ての点は線に繋がった。
真っ二つに切り裂かれた時計。
輪切りになった男の死体。
腕を斬られ、胸を貫かれて殺されたしぇりーちゃん。
僕達の部屋まで襲ってきたモナカさん。
こうもり傘を咥えていた、しぇりーちゃんのダイイングメッセージ。
それらが、一つの解を如実に現していた。
「分かってる。
俺も、そこまで馬鹿じゃない」
背中を向けたまま、狐さんは言った。
「この落とし前は、兆倍にして返してやる…!」
狐さんは、怒っていた。
狐さんは、泣いていた。
〜続く〜
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