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念を使わせてみよう小説スレッド
138
:
1
:2004/12/05(日) 02:09
パトカーのサイレンが、けたたましく鳴り響いている。
事件現場である路地裏への道はテープで遮られ、野次馬がその周辺にごった返している。
「…来たか」
フーンさんが駆けつけて来た僕達に気づき、沈痛な面持ちで顔を向ける。
「アヒャももうすぐここに来るそうだ。 それで…」
と、狐さんはフーンさんの言葉などまるで耳に入っていない様子で、
『KEEPOUT』と書かれたテープを引き千切りながら路地裏へと入って行った。
「!?
何だ君は!
ここは立ち入り禁止…」
狐さんを制止しようとした警察官が、壁に叩きつけられて失神する。
「き、狐さん!?」
僕は慌てて狐さんを後を追った。
あの様子では、下手をしなくても回りの人間全員皆殺しにしかねない。
「君! 止まりたま―――」
「何のつもり―――」
普通の人間である警察官などに、狐さんを止められる訳など無く、
邪魔する者は残らず例外なく気絶させられて倒れ伏す。
まるでモーゼのように、狐さんは己の前を阻むもの全てを薙ぎ倒しながら進んで行った。
「……」
狐さんが、足を止める。
その前には、輪切りにされた若い男の死体と―――
両腕を落とされ、胸を貫かれたしぇりーちゃんの死体が、横たわっていた。
ダイイングメッセージなのか、しぇりーちゃんは口に捨てられていたらしいこうもり傘を咥えて絶命している。
「……」
狐さんは胸の前で両手を合わせ、黙祷を捧げた。
死んでいた。
しぇりーちゃんが、死んでいた。
どこからどうみても、天地をひっくり返そうとも、絶対的に死んでしまっていた。
しぇりーちゃんは僕を殺そうとした。
しぇりーちゃんは僕を守ってくれた。
だから、死んだ。
また、僕の所為で人が死んだ。
まだやりたい事だってあった筈だろうに。
友達と遊びたかっただろうに。
好きな人だって、いただろうに。
それが全部お終いになってしまった。
全部、僕が台無しにしてしまったのだ。
『しぇりーちゃんは…
今の仕事をやめようとか、思ったりした事無いの?』
『無いです。
というより、そんなの考えた事すらありません』
『そう…』
『…でも、本当は、少しだけ羨ましかったりするのです。
学校の、クラスメイトが…』
『……』
『でも、もう無理なんですよね。
もう私は殺すには十分過ぎる力を持っちゃってますし、実際何人も殺してきました。
今更普通の生活を送ろうなんて、おこがましいにも程があるのです』
『そんな、だけど、君は…』
『あ、心配なんて無用ですよ?
私、今が不幸だなんて思ってませんから。
学校では上手くやってますし、狐さんも可愛がってくれるのです。
寂しくなんて、ないのです』
『でも、それでもさ…』
『…そこから先は、考えちゃいけないのです。
そうでないと、自分を騙せなくなるから…』
『……』
『ごめんなさい、しんみりしちゃって。
この事は、狐さんには内緒にしてて下さいね?』
『…うん』
『それに、諦めなければ道は必ず開けるのです。
今はまだ、力もお金も有りませんけど、大きくなったらどこか遠くで第二の人生を歩むのです。
今流行りの自分探しの旅ですよ』
『自分探しの旅とは違うと思うぞ』
『えへへ、そうなのですか』
ごめんね。
しぇりーちゃん、本当にごめんね。
あんなに楽しそうに、君は自分の未来を語っていたというのに、僕がぶち壊しにしてしまった。
何で、僕はまだ生きている?
家族を殺して、モナカさんを殺して、しぇりーちゃんを殺して。
最初から、僕が死ねばよかったんじゃないか…!
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