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念を使わせてみよう小説スレッド

1321:2004/12/04(土) 01:40



 しぇりーちゃん達が部屋を出てから、もう二時間が経過しようとしていた。
 まだ、モナカさんを見つけたという連絡は入っていない。
 畜生。
 僕は、ここでじっとしてるしか出来ないっていうのか!?
「そう恐い顔すんな。
 今はあいつらを信じて待とうぜ」
 狐さんはそう言うが、落ち着いてなどいられる訳が無い。
 もしかしたら、しなくとも、モナカさんは殺されるかもしれないというのに。
 それなのに、落ち着いてなどいられるものか。
「はやる気持ちは分かるが、動かないのも勇気だ。
 結局、警察じゃあ手がかりの一つも見つからなかったんだろ?
 そういう日の悪い時にあくせく動いたって、裏目に出るのが大概さ。
 お前に今出来るのは、動くべき時に備えてゆっくり休む。 それだけだ」
 それだけしかないのか。
 だが、現実として僕に出来る事は今狐さんが言った事で全てだ。
 警察では、結局『冥界の支配者』に関する情報は何一つ見つからなかった。
 …いや、違う。
 何も無かった訳じゃない。
 僕はある違和感をそこで感じたんだ。
「……!
 忘れてました、狐さん。
 あなたに、伝える事があったんです」
「うん?」
 そうだ。
 何をうっかりしていたのだろう。
 これだけは、狐さんに教えなければいけない事だったんじゃないか。
「実は―――」


 メキリ


 入り口のドアから、軋むような音が聞こえた。
 同時に、狐さんが僕を庇うように戦闘の構えを取る。
 ノックも無しに強引に部屋に入ろうとする奴なんて、この状況では敵以外に考えられない。
 ギイ、という音を立てて、ゆっくりと扉が開く。
 そこから姿を現したのは―――

「!!!!!」
 僕と狐さんが、顔を引きつらせる。
 そんな、まさか。
 まさか、本当にこんな事になってしまってしたなんて。
 考え得る限り最悪の予想が、的中してしまった。
 何で、どうしてこんな事に。
 何で、今、僕の目の前で、『彼女』が『こんな姿』になってるんだ…!
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
 しゃがれた精気の無い声が、『それ』の口から漏れる。
 体のあちこちが腐り、変色しているが、崩れかかっているが、
 それでも見間違える筈なんてない。
 見覚えのある制服。
 見覚えのある体型。
 見覚えのある顔。
 見間違える訳が無い。
 彼女は、彼女は…
「山吹萌奈香(やまぶき もなか)…!」
 僕は彼女の名前を呼んだ。
 そこに居たのは、確かに『かつてモナカさんだった筈』の存在だった。


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