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念を使わせてみよう小説スレッド

1311:2004/12/04(土) 01:39





「何だって!? あのお嬢ちゃんが行方不明になった!?」
 僕の説明に、狐さんが驚いた。
 ここは僕と狐さんが滞在しているビジネスホテルの一室。
 結局僕とアヒャさんは、狐さん達と合流する為に一旦ここまで戻って来ていた。
「…はい」
 僕は小さく告げた。
「…ただの家出、と考えるのは些か楽観的だろうな」
 フーンさんが煙草の煙を吐きながら呟く。
 そう、これは絶対に単なる家出だとか誘拐事件ではない。
 間違い無く、あいつが絡んでいる。
「『冥界の支配者(ネクロマンサー)』… ですね」
 しぇりーちゃんが確信した風な顔で言った。
 どうやら、もう学校は終わったらしい。
「だろうな」
 忌々しげな顔で吐き捨てる狐さん。
「ドウスルンダ?
 ヤミクモニサガシタッテ、ソイツヲミツケルノハチトヤッカイダゾ」
 アヒャさんが腕を組む。
「…知り合いの情報屋に当たってはみるが、期待は出来ないだろうな。
 『冥界の支配者』が、そう簡単に尻尾を見せるとは思えない」
 フーンさんが暗い顔で低く告げた。
「…そうだな。
 だがあの『冥界の支配者』のことだ。
 連れ去るだけ連れ去って、はいお終いなんて真似はしねえだろ。
 ちッ、仕方ねえが、棒に当たるのを期待して地道に探し回るしかなさそうだな」
 狐さんが舌打ちをして、座っていた椅子から立ち上がった。
 フーンさんやしぇりーちゃん達も、それに合わせて腰を上げる。
「フーン、アヒャ、しぇりー、悪いがもう一度モナカって嬢ちゃんを探してみてくれ。
 俺と少年は、ここで待機してる」
「!? そんな、僕も一緒に探します!」
「…駄目だ。 少年はここでお留守番だ」
「どうして!?」
「警察で、吐いたんだって?
 それに今日は一日中街を駆けずり回ってたんだろ。
 そんな精神的にも肉体的にもヘトヘトの奴が外に出たって、足手まといなだけだ。
 それに、もしかしたらお前さんから俺達を引き剥がす罠なのかもしれない。
 そうだった場合、俺はここで君を護衛しているのが一番都合がいい」
「でも…!」
 でも、僕はモナカさんを探さなければ。
 もしかしたら、モナカさんも僕の家族と同じように、
 僕の知り合いってだけで狙われたのかもしれないのに。
「もうちょっと仲間を信用しろって。
 大丈夫。 こいつらなら、きっと嬢ちゃんを無事見つけてくれる」
 狐さんが優しく微笑んだ。
 フーンさん達も、それを受けて僕を励ますように頷く。
「…分かりました。
 どうか、よろしくお願いします」
 僕は無力だった。
 どうしようも無いくらい、無力だった。
 力が無い事が、弱い事が、こんなにも歯がゆく、罪深い事だったなんて。
 僕はそんな事すら知らずに生きていた自分が、情けなく、許せなかった。


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