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念を使わせてみよう小説スレッド

1301:2004/12/04(土) 01:39
 〜二十二話〜

 僕とアヒャさんは、モナカさんを探しに街中を奔走した。
 しかし、こんな大都会でそう都合よく一人の人間を見つけれる道理などあるわけなく、
 ただひたすらに時間を無駄にするだけだった。
 日は既に沈みかけ、夜の帳が街に黒いベールをかけていく。
 それでも、僕はモナカさんを探さずにはいられなかった。
 僕はまだ、彼女に謝っていない。
 彼女に、「ごめん」の一言を伝えねばならない。
「…くそッ」
 全く成果をあげられない事に舌打ちしつつ、僕は立ち止まり大きく肩で息をついた。
 ずっと走り回っていたせいで、心臓は張り裂けんばかりに早鐘を打ち、喉はカラカラだ。
 それでも、僕はモナカさんを探すのを止める訳にはいかない。
 これは僕の責任でもある。
「オイ、イッタンムコウノヤツラトゴウリュウスルゾ。 コノママジャラチガアカネエ」
「出来ません! 今この時もモナカさんは危険に晒されてるかもしれないんですよ!?」
 これ以上時間がかかっては危険だというのは明らかだった。
 いいや、ひょっとしたら既に手遅れなのかも―――
 馬鹿な。
 僕は何て事を考えてるんだ。
 今はとにかく、一刻も早くモナカさんを見つけ出さなければ。
「イイカラオレノイウコトヲキケ! ソレニオレタチダケデコレイジョウデアルクノハキケンダ」
「だったらあなただけ勝手に狐さん達の方へ行ってて下さい。
 僕は一人でだって―――」
 そう言おうとした瞬間、アヒャさんは僕の顔を思い切り殴りつけた。
 痛い。
 目がチカチカし、頭がクラクラする。
「チマヨウノモイイカゲンニシロ…! ネラワレテルオマエガ、ソンナンデドウスル!」
 アヒャさんが厳しい声で僕を怒鳴りつけた。
 分かっている。
 そんなのは分かっているんだ。
 だけど…
「…すみません」
 僕は俯いたままアヒャさんに謝った。
 本当に、情けない。
 僕には、人一人助けられないなんて…!
「…オマエノキモチハワカル。 デモナ、マッスグナキモチダケデハウマクイカナイトキダッテアルンダ。
 ツライダロウガ、イマハタエロ。 トニカクイマハアイツラトゴウリュウシテカラツギノテヲカンガエルンダ」
 アヒャさんが殴られた衝撃で倒れた僕に手を差し出した。
 僕は歯を喰いしばったまま、黙ってその手を取るのであった。


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