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念を使わせてみよう小説スレッド

1111:2004/11/29(月) 02:14





 目が覚めると、僕はベッドの上に横たわっていた。
 天井の模様からして、狐さんの所のホテルではない事は分かったが、
 だとすればここは一体どこなのだろうか?
 天井はシミやススだらけでお世辞にも天国だとは言い難い。
 とすれば、ここは地獄か?
「起きたか、少年」
 誰かが僕の顔を上から覗き込む。
 狐さんだ。
「おおゆうしゃよ しんでしまうとはなにごとじゃ」
 狐さんはおどけた調子で話しかけてきた。
「…そりゃすいませんでしたね。
 ここはどこですか?
 ラダトーム城にしては貧相ですけど」
 僕はゆっくりと周囲を見渡した。
 薬や包帯の入った棚。
 立てかけられている点滴台。
 もしかして、ここは病院か?
「金さえ払えば信用の出来る裏医者だよ」
 ふむ。
 病院というよりは診療所といった方が正しいのか。
 どうやら、僕は命だけは助かったみたいだ。
「…!?」
 ベッドから身を起こした所で、僕は異常に気がついた。
 左腕が、くっついてる。
 いや、左腕があるのは普通に考えて正常なのだが、僕の場合においてはおかしい。
 なぜなら、僕の左腕はあの侍に切り落とされたからだ。
 不審に思って小指から親指にかけて折り曲げ、そして開くという運動を繰り返してみるが、
 これといった障害も無く普通に動く。
 馬鹿な。
 腹の傷は兎も角、複雑に神経などが通っている腕が、
 一旦切り離されたのをくっつけてここまで回復するのか!?
「驚くのも無理は無い。
 私の腕は、そんじょそこらのヤブ医者とは違うからな」
 部屋の中に一人の男が入って来た。
 その男は髪が半分白くなっていて、その顔には大きなツギハギの跡が残っている。
 これって、ひょっとして…
「私の名前はモラックジャック。
 無免許のモグリ医者さ」
 モグリだけじゃなくてパクリだ。
 手塚虫先生、ごめんなさい。
「君の左腕は、私が元通りにしておいた。
 もう日常生活を行う分には支障は無いだろうが、
 しばらくの間は急激な運動は避けておきたまえ」
 左腕を元通りにした、って、そんな簡単に出来る事なのか!?
「『生物の肉体を治療する』、そういった念能力だよ」
 モラックジャックが簡単に自分の能力をバラす。
 いや、この場合は能力を隠す必要は無いのか。
 寧ろ、能力が知れ渡っていた方が、その噂を聞きつけてこの診療所に来る患者も増えるというものだ。
「しっかしおどろいたぜ、本当。
 二日前にホテルに帰ってみれば、君としぇりーがボロ雑巾になって倒れてるんだから。
 おまけに訳の分からない侍は死んでるしよ。
 あれから、君としぇりーをここまで運んできたり、
 ホテルの件の隠蔽工作に駆けずり回ったり、
 このボッタクリ医者の治療費を融通したりで大変だったんだからな」
 二日間。
 僕は二日間も眠り続けていたのか。
 どうやらその間にかなり多くの問題が発生していたらしい。
 まあ、ホテルの一室であんなにドンパチやらかしたら問題になって当然か。


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