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念を使わせてみよう小説スレッド

1071:2004/11/28(日) 00:43

 ゴトリ

 左腕が、僕の胴体からおさらばした。
 かわしきれなかったが、頭が真っ二つになるよりかは100億万倍マシだ。
 痛くなんかない。
 痛みを感じる暇はない。
 偽物の心だから何も感じない。偽物の心だから何も感じない。偽物の心だから何も感じない。
 偽物の心だから何も感じない。偽物の心だから何も感じない。偽物の心だから何も感じない。
 偽物の心だから何も感じない。偽物の心だから何も感じない。偽物の心だから何も感じない。
 だから、痛くなんかない。
 元より、無傷で勝てるとなんて思っちゃいない。
「止め!」
 片腕を失い尻餅をついたままの僕に、侍が最後の一撃を加えんと振りかぶった。
 勝利を疑わない表情。
 そこに生まれる、一瞬にして絶対の油断。
 こいつは、まだ僕が生きているにもかかわらず、自分の勝利を確信した。
 さっきしぇりーちゃんに自分の能力を喋っていたのも、その慢心ゆえだろう。
 教えてやる、獣死三羅腑。
 それこそが、お前の最大の弱点だ…!

 ―――完全再生率17%
 ―――全工程終了
 ―――発動、『劣化複製・傀儡の糸(デグラデーションコピー・マッドネスマリオネット)』

「!!!!!」
 ついさっきまで僕を刺し殺そうとしていた侍の右腕が、
 まるで別の生き物のようにその向きを変え、
 侍の心臓目掛けてその手に持つ刀を突き出した。
 奴は言っていた。
 奴の能力は、自分の義手義足を操作する能力だ、と。
 ならばそれをコピーすれば、僕からでも奴の手足を操作する事が可能。
「ぐああああ!」
 侍が、自分の刀で自分の体を突き刺す。
 よし、勝っ―――

「……!!」
 僕は奥歯を噛み締めた。
 甘かった。
 心臓を貫く直前、侍はギリギリのタイミングで急所だけは外したのだ。
「…紙一重、だったな」
 口から血を吐きつつ、侍がこちらを見据える。
「くッ…!」
 僕はもう一度侍の手足を操ろうとする。
「させぬ!」
 侍が、自分の念で僕の念によるジャミングを強引に捻じ伏せる。
 やっぱり、無駄だったか。
 所詮僕の劣化コピーでは、どうしても本家本元の念能力には劣ってしまう。
 その為、ほんの少しでも注意されたら僕からの義手義足の操作など破られてしまうのだ。
 そうさせない為にも侍を怒らせたのだが、どうやらそれは失敗に終わってしまったみたいだ。
「…分かったぞ。
 お主、人の真似をする念能力だな」
 そこまでバレたか。
 くそ、どうやってこのピンチを乗り越えようか。
「!!」
 考える隙間も与えまいと、侍が僕に斬りつけてくる。
 即座に後ろに跳躍して回避。
「だが、所詮は猿真似。
 本物には到底及ばぬわ!」
 どうやら、向こうは冷静さを取り戻してしまったらしい。
 これは冗談抜きに絶対絶命のようだ。
 どうする?
 何とかしぇりーちゃんを抱えて逃げ―――

「あ―――?」
 腰のあたりがじわりと湿るのを感じた。
 …?
 不思議に思って、僕は自分の腹を見てみると…
「あ、あ、あああああああ!?」
 腹の部分にパックリと裂け目が開き、そこから腸がこぼれ出した。
 さっきの斬撃は、避けれてなどいなかったのだ。
「…今度こそ、終わりのようだな」
 何とか腸がこれ以上はみ出さないように腹を押さえる僕に、侍がゆっくりと近づいて来た。
 畜生、ここまでか。
 しぇりーちゃん、ごめん。
 僕、君を助けられなかった。
 狐さん、ごめんなさい。
 僕の所為で、僕だけでなくしぇりーちゃんまで巻き添えにしてしまいました。
 僕の巻き添えで、僕の家族もしぇりーちゃんも殺してしまいました。
「今度は油断はせぬ。
 全身全霊を持ってして、いまここでお主を屠り去る」
 侍が、頭上に刀を振り上げて…


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