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念を使わせてみよう小説スレッド

1061:2004/11/28(日) 00:42



「…しゃきーん」
 僕の両手に、しぇりーちゃんとそっくりのチャクラムが握られる。
 僕の念は何かになれない。
 だから故に何にでもなれる。
 これが、これこそが僕の力。
「……」
 チラリとしぇりーちゃんを見る。
 急激に血を失っているせいか、その目は胡乱としていた。
 どうやら、早めに決着をつけなければヤバいみたいだ。
「…お主は、そこの娘と同じ能力を使うのか?」
「聞かれて答えるとでも思っているのかい?
 自分の念能力を吹聴するなんて、三流のやる事だぜ。
 そういう意味じゃあ、戦った相手への敬意だのなんだの理由をつけて、
 自分の能力をペラペラ喋るお前も三流、それ以下だ。
 さっき僕一人で十分と言った理由も、それさ。
 三流如き、狐さんの相手になる筈が無いからね」
 僕のその言葉に、侍の周囲の温度が見る見る上昇していくのが分かった。
 そうだ、もっと怒れ。
 まともに僕がこの侍と戦ったって、勝てる見込みは少ない、というより全く無い。
 それはさっき狐さんに買って貰った拳銃でこの侍を狙撃した際に、痛い程分かっている。
 不意打ちで、背後から射撃したにもかかわらず、この侍は刀で銃弾を弾いた。
 決定的だった。
 この侍に、銃は通用しない。
 銃なんかで倒せるような、生っちょろい相手なんかじゃない。
 だからこそ、ここで可能な限り侍を逆上させておく必要があった。
 勝機は、無い訳じゃない。
 その為にも、ここで怒らせて冷静な判断力を奪うという事が、僕が勝つ為の絶対必要条件だ。
「…冗談にしては、笑えぬな」
 口調こそ静かだが、侍の声は明らかに震えていた。
 噴火まであと少しといった所か。
「冗談かどうかは、実際に試してみればいい。
 何なら、ハンデとして指一本しか使わずに戦ってやろうか?」
 ―――!
 その言葉が引き金となった。
 怒髪天つく程の怒りを余す所無く顔に表した侍が、
 僕を一刀両断にするべく大上段から斬り掛かる。
「う、おおお!」
 右手のチャクラムで、その斬り下ろしをガード。
 開いた胴に侍が左手の脇差で横薙ぎを払うが、こちらも逆の手のチャクラムでそれを防ぐ。
 やっぱりだ。
 怒って冷静さを欠いている分、攻撃が荒い。
 攻撃速度そのものは速いが、それに移るまでの予備動作が大きい分、
 どこにどういう攻撃が来るのか、僕の不完全な『不死身の肉体』でも何とか察知出来る。
 これなら―――
「!!!」
 そう思った瞬間、物凄い力で吹き飛ばされた。
 鍔迫り合いの体勢から、侍が僕を力任せに突き飛ばしたのだ。
 いくら攻撃の軌道が辛うじてではあるが見えるとはいえ、
 純粋な膂力の差は予測や予想ではどうにもならない。
 バランスを崩され、不様に尻餅をつく。
「!!!」
 侍が倒れた僕に追撃を仕掛ける。
 まずい、何とかしてかわさなくては。
 すぐに横に跳び―――


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